このたび、令和3年度「授業について考えるランチセミナー」<学習のエビデンス収集・分析2(質的分析編)>が開催されました。
ご参加いただいた皆さま、大変ありがとうございました。

■開催日時
 第1回 2022年2月10日(木)12:05~12:50
 第2回 2022年2月17日(木)12:05~12:50

■内容
第1回
 まず講師から質的データとは何かについて、その性質やその収集に関する方法の概要、さらには先月のセミナーで行われた量的調査との違いといった観点から説明がなされた。同時に質的データを収集する際の注意点や、データを収集する対象者に配慮すべき点についても挙げられた。次いで質的データの分析方法について、収集したデータの整理、言語の分割、コーディングとカテゴリー化、概念化とそれら概念同士の検討といった分析のプロセスや、データを読み込む際の分析者の観点や視点、データの管理、データから適切に結果を導けているか等の分析における重要なポイントについて解説が行われた。

第2回
 最初に質的データとその収集・分析方法について前回の内容の振り返りを行ってから、今回はテキストマイニングという方法に焦点を当てた講義と実演が講師によって行われた。講義や実演についてはテキストマイニング用のフリーソフトであるKH Coderおよび講師が準備したサンプル用のデータを用いた。主な内容としては、KH Coderの操作方法や分析方法、とくに出現頻度表や階層的クラスター分析、共起ネットワーク図作成の実行方法や結果の見方について、講師がKH Coderを実際に操作しながら説明を行った。

■参加者
第1回 2月10日
 19名(Zoomによるオンライン)
第2回 2月17日
 35名(Zoomによるオンライン)

■コーディネーター・講師
第1回 2月10日
コーディネーター・講師
 塩川 奈々美(高等教育研究センター教育の質保証支援室)
第2回 2月17日
コーディネーター・講師
 塩川 奈々美(高等教育研究センター教育の質保証支援室)

■成果と課題
 プログラム終了直後、参加者を対象にアンケートを実施した。その結果、「本セミナーは今後の教育活動において有益なものであった」という設問では第1回・第2回とも回答者全員から肯定的な回答 (「とても当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」の合計) を得ることができた。また自由記述においても、質的分析に関する研修は少なく貴重な機会であったとの回答が寄せられた。
 一方で、「今後の授業や教育活動の中ですぐに実践してみようと思う情報を得ることができた」「本セミナーを受講したことによって授業や教育活動への取り組み方がこれまでと変わると思う」「本セミナーを受講したことによって新たな課題が見えてきた」「セミナーが開催された時期はテーマに適していた」といった質問については、肯定的でない回答(「どちらかといえば当てはまらない」)も一部寄せられた。
 今回は前回と引き続き、直接教育改善に役立つものではなく、また学術研究色が濃い内容であったため、実際の授業実践やその研究・報告にどう役立てるかイメージを持ちづらい参加者も多かったと考えられる。しかし、今回も前回の量的研究と同じく、『大学教育カンファレンスin徳島』や『大学教育研究ジャーナル』の認知度や参加者・投稿者の増加につなげるためには必要な内容であると考えられるため、授業における実践例を盛り込む等、内容についてさらに改善し、継続して行っていくことが必要である。

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教育支援課教育企画室 メール:kykikakuk@tokushima-u.ac.jp 
           電 話:088-656-7679 内線(82)7124
※令和2年11月27日に常三島へ移転したことにより,内線番号が変更しました。メールと外線番号は変更ありません。

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