L-07:ヒト化単ドメイン抗体の迅速開発技術

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徳島大学シーズ<L-07>:ライフサイエンス、創薬 sdgs-03 sdgs-09
 

ヒト化単ドメイン抗体の迅速開発技術
― 新しいモダリィティ―でバイオセンサー、医薬品開発を目指す ―

村上 明一 准教授 大学院医歯薬学研究部 歯学域 口腔科学部門 基礎歯学系 口腔微生物学
キーワード 医療用抗体、単ドメイン抗体、ファージディスプレイ
研究室URL  
研究の概要
<単ドメイン抗体:sdAbは物性に優れ安価大量生産が可能、動物の飼育、免疫がボトルネック>
 近年、ラクダ科動物でH鎖のみから構成される抗体が発見され、分子量15KDaの1つのドメインで特異的に抗原と結合することが判明した。これを応用した「単ドメイン抗体:sdAb」は、低分子量であり、熱や変性剤に対して安定であり、かつ、大腸菌などで安価大量生産が可能である。また、他の分子との融合し改変が容易など、利点が多い。しかしその開発には大型動物の飼育・免疫を必要とし、費用、労力、時間を要することが問題であった。

<技術課題:多様な抗体遺伝子ライブラリを構築、動物の飼育、免疫操作をスキップ>
 独自の手法により、アルパカB細胞由来遺伝子を元に4x1010以上の多様性をから成るscAb提示ファージライブラリを構築し、動物免疫を必要とせず、多種多様な抗原に対して迅速にsdAbを取得できるシステムを構築した。さらに現在、治療用抗体として活用すべく、迅速かつ簡便な「ヒト化」技術の構築を進めている。
 
想定される用途と製品化・事業化イメージ

<バイオセンサー、ヒト化技術により医薬品創出>
 ライブラリから得られる抗体は、ELISAやウエスタン等に使用する研究用試薬、イムノクロマトなどの検査用試薬、機器に搭載するバイオセンサーとしてなど多岐にわたる用途に使用可能である。また、ヒト化技術により治療用抗体として使用でき、一般的な抗体医薬に限らず、多特異性抗体や細胞内で機能する抗体、さらに、CAR(Chimeric antigen receptor)の構成成分としての使用などが可能である。

L-07.png
単ドメイン抗体(sdAb)スクリーニング概略図
論文 Akikazu Murakami et al., An alpaca single domain antibody (VHH) phage display library constructed by CDR shuffling provided high affinity VHHs against desired protein antigens, International immunology, Volume 34, Issue 8, (2022)
村上明一, 中島雄介, 合成ライブラリー法と分子進化法による単ドメイン抗体の産業利用, 酵素工学ニュース (87) 21-25, 2022年4月

 

お問合せ先

徳島大学 研究支援・産官学連携センター
TEL:088-656-7592
E-mail:rac-info@tokushima-u.ac.jp

 

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