微量ガス/エアロゾル成分連続捕集器

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1970年代に猛威をふるっていた光化学スモッグが,ここ数年都市部を中心に再発している。光化学スモッグは,工場や自動車などから大気中に排出されたNOxやVOCsなどが光化学反応を起こして二次的汚染物質を生成することにより発生する。これらの二次汚染物質はガス/粒子状物質として,または湿性沈着物として地表面に降下し,大きな被害を与えている。また,日本においては,二次的汚染物質だけでなく,火山活動による一次的汚染物質も植生に大きな影響を及ぼしている。これらの汚染物質は気温・湿度などの気象条件により,ガスから粒子状物質へ,または粒子状物質からガスへとその形態が短時間で大きく変化するため,別々に分けて捉える必要がある。しかし,従来のサンプリング方法(フィルター法)では,その動態変化を短時間で観測することができず,ガス-粒子状物質間の物質移動やそれぞれの沈降速度に関しては,未だ不明な点が多く残っている。さらに,これらの汚染物質が人体及び自然環境に与える影響を明らかにしていくためには,ガス状と粒子状物質双方の濃度を,汚染物質の発生源および被害地で測定しその動態を調べていく必要がある。
本研究では,これまでに開発してきた親水性膜デニューダーやエアロゾルコレクタを応用して,大気または呼気中に存在する微量成分を連続的にモニタリングできるシステムの構築を検討している。

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