研究概要
私たちの研究によって、微弱な電流が細胞の機能を変化させることで、核酸医薬のような外来物質の細胞内取り込みを誘導したり、組織細胞の隙間を広げることを発見しました。この発見は、世界で初めてのものであり、この発見は新しい薬物送達システム(DDS)の開発に繋がると考えて、さらなる研究に取り組んでいます。
このように外部刺激に応答する細胞は脂質膜によって覆われていますが、細胞内外で生じる活性酸素によって攻撃される危険性があります。そのため活性酸素を消去できる抗酸化物質は、疾患予防や美容のために重要な役割を担っています。
また、脂質膜小胞リポソームは、DDSのキャリアとして盛んに研究されており、がんや脳梗塞といった疾患の治療に応用されています。しかし、生体内には通常のリポソームでは越えられない障壁(血液脳関門など)が存在し、それらを突破可能なキャリアの開発が求められています。我々は、生体内に存在する白血球などの細胞や、近年DDSや医療への応用が期待されている細胞外小胞エクソソームの性質を利用することで、薬物送達における生体内の障壁を突破し、様々な疾患の治療を可能とするDDSの開発を目指し、研究を行っています。
- 生体膜における抗酸化物質の作用メカニズムの検討(小暮)
- 微弱電流による細胞生理の制御メカニズムの解明(小暮)
- 脳梗塞部位の血液脳関門突破技術の開発と治療への展開(福田)
- 細胞外小胞エクソソームを用いた新規DDSの開発と疾患治療(福田)
お知らせ
- 徳村彰先生が徳島大学 名誉教授に就任されました(平成26年4月)
- 小暮健太朗先生が衛生薬学分野教授に着任されました(平成28年1月)
- 福田達也先生が衛生薬学分野助教に着任されました(平成29年4月)
- 田中保先生が徳島大学生物資源産業学部食料科学分野教授に就任されました(平成31年4月)
- 第59回日本生化学会中国・四国支部例会に参加しました。
- 日本薬剤学会第33年会に参加しました。
- 第60回日本脂質生化学会-未来に繋ぐ脂質研究-に参加しました。
- 第34回日本DDS学会学術集会に参加しました。
- 遺伝子・デリバリー研究会 第18回シンポジウム、夏期セミナーに参加しました。
- 日本ビタミン学会第69回大会に参加しました
- 日本農芸化学会2018年度大会に参加しました。
- 日本薬学会第138年会に参加しました。
- 第91回日本生化学会大会に参加しました。
- 2018 Tokushima Bioscience Retreatに参加しました。
- 第11回セラミド研究会学術集会に参加しました。
- 第2回徳島大学総合的がん創薬研究クラスター合同ミーティングに参加しました。
- 第9回学際的脂質創生研究部会講演会に参加しました。
- 衛生薬学同門会を開催しました(令和元年7月20日)