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     2023年7月吉日
 教授 金沢 貴憲

 2023年7月に薬物治療学分野に教授として着任した金沢貴憲と申します。現在、薬物治療学分野には、第一期生の学部生5名と技術補佐員1名が在籍し、研究室の立ち上げと並行して研究に取り組んでいます。

当分野では、「臨床ニーズの高い難治性疾患に対する革新的な薬物治療システムの開発」を目的とし、新たな医薬モダリティである核酸医薬や細胞材料に着目して、それらの治療効果を最大限高める投与ルート(経鼻、経口、経皮、腹腔内等)や新たな薬物送達ルート(Nose-to-Brain、組織・細胞間隙、膵島集積等)の開拓と送達機構の解明、およびそれら様々なルートに適する核酸医薬含有ナノ治療薬を設計し、その治療効果を細胞実験や病態モデル動物により検証してます。現在、対象疾患として、中枢神経系疾患(認知症、パーキンソン病、ALS、ウイルス脳感染症)、がん(膵がん、脳腫瘍、腹膜播種)、糖尿病、大腸疾患(潰瘍性大腸炎)、線維性疾患(NASH、肺線維症)、等に取り組んでいます。また、送達技術だけでなく、臨床医や薬理学・分子生物学・遺伝学研究者らと連携し、根本治療が狙える治療標的分子の探索も進めています。

これら研究は、科研費(基盤B、挑戦的研究(萌芽))、AMED創薬基盤推進事業、JST大学発新産業創出基金事業といった公的研究費や民間財団の支援を受けながら、国内外の多くの機関と共同で推進しています。また、徳島大学内でも、金沢がクラスター長を務めるインキュベーションクラスター「異常タンパク質の凝集・伝播を標的とする中枢神経変性疾患対する革新的な核酸医薬シーズの開発(2023-2025)」や、ものづくり共創機構「脳・脊髄ターゲティング技術の開発(2023-2025)」が開始され、薬学部、医学部、先端酵素学研究所等と連携し、取り組んでいます。

まだ始まったばかりの研究室ですが、上記のような研究を通じて、当分野から臨床ニーズを理解して創薬・医療・教育のできる高い研究マインドを持った薬学研究者・薬剤師・大学教員をよどみなく養成・輩出していきたいと考えています。
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