薬学は医薬品を通して人の医療と健康に貢献することを目的とした学問領域でありますが、薬学が関与する範囲は非常に広いのです。すなわち、新しい医薬品を開発すること、安全で有効な医薬品を製造すること、製造された医薬品を適正な処方のもとに患者に供給する方法を開発することなどが主な研究対象でありますが、最近ではこれらに加えて、保健衛生の立場からの衛生薬学や環境との調和順応をめざした環境薬学も新しい薬学の分野として重要視されるようになってきました。
一方、薬学は化学、物理学、生物学を基礎とし、これらを総合的に応用して成り立っている自然科学の一分野であるとも言えますから、基礎と応用、理論と技術は不可分の関係にありこれらのいずれもが重要となってきます。
また、薬学は医学とも隣接しており密接な関係にありますが、医学が直接人間を対象とするのに対して薬学は医薬品という物質を主な研究対象にする学問であります。医薬品は人の生命や健康に影響を及ぼす生理活性物質でありますから、これらを取り扱うには単に化学薬品としてだけではなく「医薬品」としての総合的な見地からの特殊な知識すなわち薬学的知識が要求されます。

このような考えのもとに本学部は、単に薬剤師養成のみを目的とせず、創薬をめざして基礎科学を重視した特徴ある教育方針をとっています。
したがって受験生の皆さんも入学後は薬剤師資格取得を至上の目的とせず、薬剤師の資格と薬学の知識を基礎にして、薬学の技術者・研究者として人類と社会に対して貢献しようとする大きな夢を持って勉学に励んでくれることを本学部関係者は願っております。

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