FD・SDセミナーは日常的な教育活動ですぐに役立つ知識、スキルを参加者間で共有すること、また教育・学生支援に関するテーマについてディスカッションを行うことを目的に、4回実施しました。
【テーマ】学生の学びを促すための取り組みとその背後にある教育観
【日 時】平成25年2月8日(金)16時30分~18時00分
【場 所】授業研究インテリジェントラボ
【参加対象】本学教職員・学生・SPOD関係教職員
【話題提供者】
徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部 准教授 齊藤隆仁
徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部 講 師 水谷康弘
【内容】
「学生の学びを促すための取り組みとその背後にある教育観」
学生の学びを促すための取り組みをされている2名の先生に、これまでの取り組みの変遷とその基にある教育観についてご報告頂きました。斉藤先生は、地域社会人の参加する授業(学びのコミュニティー)、教養科目等におけるアクティブラーニングなど、様々な形で教育活動を行われています。多様な価値観を持つ人々と交流しながら学生が学んでいくこと、科学的思考の促進等を重視され、教育現場から社会を変えていくという意識で取り組まれています。水谷先生は、初任者の頃から授業改善を重ねる中で、他の良い先生(ハーバード白熱教室のサンデル氏、MIT物理のWalter氏、池上彰氏)の方法を取り入れ、ご自身の授業の中で、分かりやすく、考えながら、ユーモアを交えて、コミュニケーションをとる事を意識されながら授業に取り組まれています。
これらの報告を受けて、参加者間でペアまたは3人組になって意見交換を行い、続けて全体討論を行いました。自由討論では、以下のような意見が共有されました。
・人とのかかわりの中から内発的な動機付けが出てくる場合が多い。
・外発的動機付けから内発的動機付けが促される場合もあるので、ある程度は外発的に頑張ってもらう事も必要。
・小学生時代など、過去の疑問を思い出す問いかけをしていくことで、興味を引き出す。
・コンテストに応募するなどの目標を掲げて授業をすると、学生の意識は高くなる(少人数で徹底的に実施する事例より)。
・学生自身が自分で考えてやっていると感じられる事(自身のテーマで進めていく事)が大切。
・学生に対して、既に知っている事、新たに得た知識、質問・疑問を書いてもらうことで、学生の理解を把握する。質問に対してもフィードバックを行う。
・グループで課題を行い、グループで評価する。グループ内で教え合う仕組みを取り入れてみる。
・学生に歩み寄ってマイクを出すと話してくれる。
・知識レベルの質問はクリッカーを使う。
・学生自身の考えをまとめる時間や作業を取り入れる。
・アメやポイントなどの報酬を準備する。
・少人数である場合、事前に課題を与えて、必ず発表・質問すると決めて進める。
・新しい事を考えてもらうために、学生にタイトルを決めてもらい、それを説明する形でレポートを課題として出す。レポートの書き方は、授業の中で指導する。
・レポートの書き方について、学生への支援を行う事が必要。
【テーマ】図書館を利用した学習支援
【日 時】平成24年11月30日(金)16時30分~18時00分
【場 所】共通教育6号館201(徳島大学大学開放実践センター2階)※遠隔配信
【参加対象】本学教職員・学生・SPOD関係教職員
【話題提供者】三重大学附属図書館 研究開発室 准教授 長澤多代
徳島大学附属図書館 利用支援係長 佐々木奈三江
【内容】
「図書館で行う学習支援」をテーマとし、図書館を使ってどのような教育改善ができるのかを検討するためのセミナーとして開催されました。初めに、三重大学附属図書館研究開発室の長澤多代先生より、「図書館を利用した学習支援」というテーマで、アクティブ・ラーニングと図書館の役割、図書館の学習支援に関する理論や方法、大学教員と図書館員の連携による授業設計の事例等についてお話を頂きました。その後、徳島大学附属図書館 利用支援係の佐々木奈三江係長より、附属図書館におけるラーニング・コモンズの事例紹介を通して、ラーニング・コモンズを理解するためのお話を頂きました。
セミナーの後半では、授業との関連で図書館を利用するにはどのような可能性が考えられるか、参加者同士がグループに分かれてアイデアを共有し、意見交換を行いました。
【テーマ】効果的なグループワークの技法
【日 時】平成24年6月15日(金)16時30分~18時30分
【場 所】授業研究インテリジェントラボ →共通教育6号館201へ変更になりました ※遠隔配信
【参加対象】本学教職員・学生・SPOD関係教職員
【話題提供者】高知大学総合教育センター 講師 俣野秀典 先生
【予定内容】
授業の一部にグループワークを取り入れたいと考えている教員を主な対象に、そのための基本的な考え方・いくつかのグループワークの手法・ファシリテーターとしての注意点について解説を頂きました。実際に参加者の皆さんでグループワークを体験しながら、グループワークの効果的な手法について様々な手法を学ぶ事が出来ました。自己紹介の方法からグループでの学び合いの手法まで、具体的な内容ですぐに利用できるアイデアを学ぶ機会となりました。(内容は以下の通りです)
1.いろいろなアイスブレイク
2.グループワーク/能動的学習の効果
3.学生を参加させるための要素・技法
4.チームビルディング~グループからチームへ
5.授業等への適用例
【テーマ】徳島大学全学FDの在り方 ~全学FDへの提案~
【日 時】平成24年5月18日(金)16時30分~18時00分
【場 所】授業研究インテリジェントラボ(大学開放実践センター3階)
【参加対象】本学教職員・学生・SPOD関係教職員
【話題提供者】徳島大学大学開放実践センター 川野卓二
徳島大学大学開放実践センター 吉田 博
【内容】
徳島大学全学FD推進プログラムは第4期計画の2年目に入り、現在11年目を迎えました。本セミナーでは、全学FDの在り方について意見交換を行い、今後のFD開発、実施に向けての課題を検討しました。はじめに高等教育支援研究開発部門の川野先生より全学FD推進プログラムの紹介があり、その後参加者の皆さんから全学FDへの意見や、アイデア、検討事項等を挙げて頂き、論点を整理した後、参加者間でディスカッションを行いました。
下記の6点について参加者から提案があり、この中から各自テーマを選んでグループでの話し合いが行われました。
・良い授業とはどのような授業か?(徹底討論)
・学生の理解度を評価するにはどうすればよいか?(学生が本質的に学ぶための評価とは?)
・学生教員間のコミュニケーションを良くするには?(学生集団、教員集団をリンクする)
・FDの効果検証をどのように行うのか?
・FD参加者や担当者の裾野をいかに広げていくか?
・キャリア教育のFDをどのように進めていくか?(どのような社会人を送り出すか?)
各グループで話された内容を全体で共有し、今後は各テーマや課題について引き続き議論が必要であることが共有されました。
【主催】
徳島大学大学教育委員会・FD専門委員会
四国地区大学教職員能力開発ネットワーク