平成19年3月10日シンポジウム開催
来る3月10日(土)、大阪大学中之島センターにてシンポジウムを開催します。
【医療人養成教育に対する徳島大学薬学部の取り組み】と題し、平成18年度に採択された医療人GPに関する取組について講演を行います。また、現役で活躍されている病院薬剤師の先生や薬局薬剤師の先生をお招きし、それぞれの現場が求める薬学教育についてもご講演をしていただく予定となっています。
尚このシンポジウムは日本薬剤師研修センターの単位申請をしており、参加していただいた薬剤師の方々には研修単位として1単位が認定されます。
もちろん一般の方でも参加は可能ですので、皆様是非お誘いあわせのうえご参加下さい。詳しい日時は下記のとおりです↓
日時:平成19年3月10日(土) 14:00~16:00
場所:大阪大学 中之島センター 7階 講義室2
平成19年3月10日シンポジウム報告
平成18年度採択医療人養成推進(GP)プログラムシンポジウム
「医療人養成教育に対する徳島大学薬学部の取り組み」報告
(平成19年3月10日14:00-16:20、大阪大学中之島センター7階 講義室2)
徳島大学薬学は、平成18年度文部科学省大学推進事業「地域医療等社会的ニーズに対応した質の高い医療人養成推進(GP)プログラム」に、「医療の現場と直結した薬剤師養成教育の実践」のタイトルで選定されました。この事業として、大阪地区の薬剤師を対象としたシンポジウムを開催しましたので概略を報告します。
講師は当学部から土屋浩一郎先生(徳島大学薬学部助教授)が、『医療の現場と直結した薬剤師養成教育の実践』と題し、平成18年度に採択されたGPに対しての取り組み内容や今後の方針などについて話されました。また学部外から、本学部卒業生として、病院薬剤師の立場から但馬重俊先生(大阪大学医学部附属病院副薬剤部長)が、『病院薬剤師が望む薬学教育』と題して講演されました。薬局薬剤師の立場から阿部健一先生(みうら薬局高砂店管理薬剤師)が、『薬局薬剤師が望む薬学教育』についてお話していただきました。
土屋先生は、本GPプログラムは患者さんの心が分かり、問題解決能力の備わった薬剤師養成を目指すこと、その特徴は国立大学初の試みである病院内で教育・研究活動を行う臨床薬学講座の設置や学生の自主性を生かすための参加型能動学習制度の発足、教員が臨床薬学分野を理解するためのFD活動や病院研修を行う再教育制度等について紹介しました。
但馬先生の講演では、病院薬剤師として目指すべき姿として、調剤薬剤師から対話、製剤および分析のできる薬剤師の養成が望まれること、実務実習モデルコアカリキュラムを完全実施するために種々の工夫の必要性と実務家教員が臨床業務を継続することの大切さを提言され、薬学教育に基礎教育と臨床現場との関連教育の充実を望むことなどが話された。
阿部健一先生は、薬局薬剤師にとって個々の患者さんに応じた服薬指導ができる臨床知識が重要であると強調され、調剤薬局での患者からの相談事例として「睡眠薬を毎日飲んでも大丈夫か?」などの質問にどのように対応したかなど、地域薬局としての貢献を具体的に紹介していただいた。
最後に高石学部長、講演者とともに参加者からの活発な意見をもとに総合討論した。特に、顔の見える薬剤師として実績を上げ得る薬剤師養成を目指して欲しいという発言や、徳島大学が進めようといているGPプログラムはすばらしいが、絵に描いた餅に終わるのでなく、今後は具体的移す時ではないか、そのゴールに向かって頑張って欲しい等のエールをいただきました。
今回のシンポジウム開催により徳島大学薬学部の薬剤師養成教育の取り組みを広く知っていただく機会になったことと思いますが、薬学部も本シンポジウムの議論を参考にGP事業の内容や活動の充実を図り、プログラムの完全実施に向け努力ししたいと考えています。
最後になりましたが、今回ご参加いただきました方々とシンポジウム開催にあたりご協力いただいた関係者の皆様に心よりお礼を申し上げます。