令和元年度 SIH道場振り返りシンポジウムを開催しました

1)開催趣旨
  各学部・学科での「SIH道場~アクティブ・ラーニング入門~」を振り返り、取組内容および成果と課題を共有し、次年度のプログラム改善に繋げる。

2)実施概要
  日  時:令和元年11月15日(金)16:30~19:00(16:00受付開始)
  場  所:常三島キャンパス 総合科学部地域連携プラザ2階地域連携大ホール(けやきホール)
  参加対象:大学、短大、高等専門学校、高等学校の教職員及び学生

【令和元年度SIH道場~アクティブ・ラーニング入門~振り返りシンポジウムポスター】
   シンポジウムポスター.JPG
   チラシデータはこちら☞ シンポジウムポスター.pdf (PDF 1.06MB)

3)開催報告
 最初に、宮崎隆義教授(大学教育再生加速プログラム実施専門委員会副委員長)が開会の挨拶を行った。次に「令和元年度SIH道場の総括」として、塩川奈々美特任助教が、大学教育に対する社会のニーズの変化、SIH道場の目的および令和元年度の各プログラムの取組み概要について紹介すると共に、令和元年度の学生アンケート結果について説明を行った。続いて、「SIH道場授業設計コーディネーターによる実施報告」として、コーディネーターを代表して上月康則教授(理工学部理工学科社会基盤デザインコース)と友竹正人教授(医学部保健学科看護学専攻)が報告を行い、各学部学科の授業設計コーディネーターによる「ポスター発表」が行われた。その後、「SIH道場受講生からの報告」としてSIH道場評価・改善WGの学生から各学部学科で取り組まれた。
 SIH道場に関する意見が述べられた。その後の「ディスカッション」には宮崎隆義教授、上月康則教授、塩川奈々美特任助教、SIH道場評価・改善WG委員2名(安田結月さん(総合科学部)・中野剛志君(理工学部社会基盤デザインコース))が登壇し、吉田博講師の司会のもと、SIH道場の役割や効果、持続可能なSIH道場の実施方法に関するディスカッションを展開した。
 本シンポジウムには、学内教職員、学生および外部評価委員の72名が参加し、今年度のSIH道場の課題を踏まえ、次年度に向けた改善点を検討する機会となった。

4)ディスカッションのまとめ
 ディスカッションは、シンポジウムで共有されてきたSIH道場の実施報告やアンケート結果、学生からの意見などを踏まえて、さまざまな立場の参加者間で議論を行い、次年度以降のプログラム改善に繋げることが目的である。登壇者は、教養教育院より宮崎隆義教授・教養教育院長(大学教育再生加速プログラム実施専門委員会副委員長)、授業設計コーディネーターより理工学部社会基盤デザインコース上月康則教授、各プログラムの実施支援の立場より高等教育研究センター教育改革推進部門の塩川奈々美特任助教、受講者の立場より理工学部社会基盤デザインコースの中野剛志君、総合科学部安田結月さんの5名であり、司会は高等教育研究センター教育改革推進部門の吉田博講師が務めた。
 ディスカッションでは、事前に会場参加者に配付された「EQシート」を活用し、SIH道場振り返りシンポジウム全体や「SIH道場評価・改善WG委員」の学生に向けた質問を受け
付けた。
 まず、参加学生から「SIH道場の活動意義について、どの程度各学部学科で周知されているのか。」と質問がなされ、授業設計コーディネーター代表として上月教授より「社会基盤デザインコースでは、1泊2日でプログラム。少人数で担当しているから情報共有はなされている。」との回答が得られた。次に同じく参加学生から「SIH道場の活動内容や量が各学部学科で大きな差があるのはなぜか。」との質問がなされ、SIH道場の実施・支援を担当する塩川特任助教から「教員の規模による。授業に割ける人数に違いがある。各学部学科でどこまで目指すのか、目標が違うため、実施日数や時間にも差が出てくる。」と回答された。これらの質問により、SIH道場実施の意義理解が十分に学生に伝わっていない状況があ
ることが明らかとなった。
 次に、「SIH道場の体験学習について受講後に振り返ることがあるか」という質問がなされ、受講生を代表して中野君、安田さんが「友達作りのきっかけになったし、その友人と振り返ることがあった。」と回答した。SIH道場設計の必須項目である「早期体験」を通じて、入学時点の学生にとって、専門分野を体験するだけでなく、友人作りのきっかけとなっていることがわかった。
 また、「教養や専門の授業などでどれぐらいの割合でALを行うのが良いか。」との質問には塩川特任助教は「ALをどう想定するのかにもよる。ALをどのような目的で利用するのか
による。」と回答し、教養教育院の宮崎教授は「ALではコミュニケーション能力が養われるが、知識の習得には至らないのではないかという問題がある。ALをしながら学生が自ら知識を取り入れていくことが求められる。初年次から教養に触れるにあたり、SIH道場の基本的な部分で多くの教員が関わることでALを身に付けてもらっており、学生がもつ潜在的な能力を伸ばすために、効果的にALを実施できればと思う。」との意見が述べられた。学生視点からの回答も求められ、安田さんが「ALをどう活用するか。授業を実施する教員が学生に学びを与えられるよう問題提起をし、働きかける。その手段としてALが実施されれば効果的である。」と述べた。ALの普及・導入が求められる中、学修の目的に応じた効果的な導入が求められている。
 「人的・経済的コストの観点から持続可能な内容にするためにはどういう工夫が可能でしょうか。低コストでも効果の高いコンテンツに関して何かアイデアはありますか。」という質問には上月教授が回答し、コースで伝統的に行っている合宿の費用について、学友会による補助や、安く利用できる宿泊施設の活用、学生による1000円程度の自己負担、企業からの支援を募るなどコースでできる努力を行っている旨を説明した。
 「満足度に何が影響しているのか。分析しているか。」という質問には塩川特任助教が指名され、昨年度の自由記述の解析の結果から、各コースのSIH道場授業内容のうち、満足度の高いものは何なのかについて一定の偏りが確認されたことを報告した。
 この他、SIH道場で学んだことが専門課程で活かされているという実感があるかどうかについて質問がなされ、司会の吉田講師がフロアの参加教員に意見が求めた。「SIH道場の事
業が始まる前と後とで学生に違いは感じられるか」の問いかけにフロア参加者は「変わったと思う(2名)」「変わっていないと思う(10名以上)」となり、SIH道場の効果について
検討を重ねる必要があることが明らかとなった。今後のSIH道場の運用を行っていくためには、各学部学科のSIH道場授業設計コーディネーターを含めた授業担当者によるSIH道場の積極的な活用が求められる。学生たちの学びが一単位の枠組みに収まらなければならないということではなく、SIH道場を契機とし他科目へ波及させ、その学び・学ぶ姿勢が将来的な学修の深化へと続くよう、連携を図る必要性が示唆された。継続的かつ発展可能なSIH道場の運用を目指し、教員、学生双方との議論を重ねていきたい。

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SIH道場総括報告              学科による実例報告

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各学科の取組報告             外部評価委員による講評         

5)令和元年度SIH道場振り返りシンポジウム 参加者アンケート集計結果
  開催日時:令和元年11月15日(金)16:30~19:00
  参加者数:72名(うち運営スタッフ10名)
  アンケート回答者数:51名(回収率:70.8%)

問1. 回答者の所属について
 問1. 回答者の所属について.png
問2. 振り返りシンポジウムについて
 問2. 振り返りシンポジウムについて.png
問3. 振り返りシンポジウムに参加した感想
問3. 振り返りシンポジウムに参加した感想.png



 

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