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徳島大学医学部長
西岡 安彦

徳島大学医学部は、昭和18(1943)年に四国最初の医学専門学校である「徳島県立徳島医学専門学校」として設立され、昭和20(1945)年4月に官立に移管されて「徳島医学専門学校」となりました。戦後、昭和23(1948)年2月に徳島医科大学へ昇格し、昭和24(1949)年5月には国立大学設置法により四国唯一の国立大学医学部となり、令和4(2022)年の本年で79周年になります。当初は医学科のみでしたが、昭和39(1964)年に栄養学科が設置され、平成26(2014)年に、医科栄養学科に改組されています。また、平成13(2001)年には、医療技術短期大学部を併合し保健学科が設置されました。

国立大学法人は、令和4年度から新たな第4期中期目標期間を迎えます。一方、新型コロナウイルスのパンデミックは人々の生活様式や価値観に大きな変化をもたらしました。ウィズ・ポストコロナの時代においては、高度な専門知識、豊かな人間性、高い倫理観に加え、社会や環境の変化に対応できるレジリエントで柔軟な思考力を持ち、自ら考え行動できる医療人の育成が求められています。徳島大学医学部では、遠隔授業(e-learningやリモート授業)などウィズ・ポストコロナに対応した教育環境を整え、これまで取り組んできた「医学・栄養・福祉に関わる良質の医療人の育成」と「先端的で独創的な基礎・臨床研究の推進」を継続発展させ、社会の求める医療人の育成を目指します。

医学科は、基礎系15分野、臨床系26分野、寄附講座系13分野および徳島大学病院が協力し教育・研究に取り組んでいます。本学医学科の特徴の一つとして入学後から参加可能なStudent Lab、3年次の10か月にわたる研究室配属、医学科4年次修了時に休学して大学院博士課程に進学し学位を取得した後に医学科5年次へ復学する「MD-PhD コース」の設置など基礎ならびに臨床領域で活躍できる研究医を育成するプログラムを設けています。患者診療に加え、「医学を変える」、「医療(診断、治療)を変える」ことで新しい医学・医療の創出に貢献できる人材の育成にも力を入れています。一方で多彩なシミュレータを有するスキルスラボを用いた臨床技能習得のためのトレーニングにも力を入れており、現在進められている施設改修計画によりさらなる充実を予定しています。臨床実習では、最先端の機器を備えた特定機能病院である徳島大学病院、さらには隣接しブリッジで繋がる徳島県立中央病院と構成する「総合メディカルゾーン」を活かした臨床医学教育を進めています。また、医学科には地域特別枠、四国研究枠、MD-PhDコースが設置されていますが、不安なく学修に専念できるよう多様性に対応した支援を行っています。令和元(2019)年に日本医学教育評価機構(JACME)による医学教育分野別評価で国際基準への適合認定を受けており、海外提携校との交流などグローバル教育にも積極的に取り組んでいます。医科栄養学科は、国立大学法人の医学部にある唯一の栄養学の高等教育・研究機関として8分野からなる組織で、高度な栄養学の知識を持つ専門職である管理栄養士や栄養教育研究者の育成に取り組んでいます。保健学科は、看護学専攻、放射線技術科学専攻、検査技術科学専攻に分かれ24分野による組織で医療現場に重要なチーム医療の主役を担う看護師、保健師、助産師、診療放射線技師、臨床検査技師を育成しています。

蔵本キャンパス内には歯学部、薬学部、先端酵素研究所があり、学部教育のみならず大学院教育においても他学部、研究所と連携をとりながら、医療人育成を進めていく所存です。また、医工連携は今後益々重要性が高まる領域です。pLED(ポストLEDフォトニクス研究所)やバイオイノベーション研究所を中心とした医工連携・医光融合に取り組み人材育成を行うことも重要な課題と考えております。

医療・福祉を通して社会に貢献できる人材育成に努める所存ですので、今後ともご支援をいただきますようお願い申し上げます。

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