医学部長あいさつ

 
 
徳島大学医学部長

丹黒 章


 徳島大学蔵本キャンパスの立地は、眉山を背に、吉野川を北に臨みます。吉野川側から蔵本キャンパスを望むと林立する校舎の背景は季節とともに移ろう眉山の景色です。冬には雪景色、卒業式が終わり、入学式が近づくと、西部公園を中心に山全体が桜色に色づきます。新緑から白をまぶした栗の花、薄紫の枝垂れ藤の季節を経て深緑となり、紅葉へと変わります。このような景色を背負って蔵本キャンパスも移り変わってきました。

 

 徳島大学医学部は、昭和18年に四国初の医学専門学校として創設された徳島県立徳島医学専門学校に始まり、まもなく75周年を迎えようとしています。蔵本キャンパスは、元は善通寺11師団に所属する陸軍西部33連隊の駐屯地でした。兵舎の名残の平屋バラック建ての研究棟、柔剣道場などが、今では近代的な新しい研究棟や病棟に建て替わりました。最近では、平成25年に藤井節郎記念医科学センターが建設され、平成26年には総合研究棟(クリニカルアナトミーラボを含む。)が完成しました。平成27年9月に新外来診療棟が完成した後は、昭和41年に建造された外来診療棟や旧研究棟もほぼ解体され、新外来診療棟の玄関前整備を残すのみとなっています。

 

 本学部の卒業生は、医師、管理栄養士、看護師、診療放射線技師、臨床検査技師などの国家資格を取得して、全国の臨床や教育現場で活躍しています。国家資格取得後、さらに高度な医療を学ぶべく大学院で学んだ先輩たちも、世界の臨床・教育・研究施設で羽ばたいています。また、本学部では、高大連携による高校での出張授業から、卒前、大学院、卒後、生涯教育までを多彩な専門職連携教育により行っています。医療教育開発センターの支援の下、シミュレーション教育やチーム医療臨床実習、模擬患者の協力による医療コミュニケーション教育を推進しているほか、在学中には米国、ドイツ、韓国などへの留学の機会もあり、早期に研究の機会が与えられる研究室配属や、医学部の途中で大学院に進学するMD-Ph.Dコースも準備しています。

 

 蔵本キャンパスでは、世界をリードする多くの人材を輩出してきた医学部附属酵素研究施設を源流とする疾患酵素学研究センター(後の先端酵素学研究所次世代酵素学研究領域)が昭和36年に設置されたほか、ゲノム研究のメッカとして先端研究を推進すべくゲノム機能研究センター(後の先端酵素学研究所プロテオゲノム研究領域)が平成10年に設置されました。平成28年、この2つのセンターを統合するとともに、平成26年に設置された藤井節郎記念医科学センターと糖尿病臨床・研究開発センターを附属施設として、先端酵素学研究所が発足しました。本学部の特徴は、同キャンパスの歯学部、薬学部、この先端酵素学研究所と密接に連携して教育と研究を担うという、極めて恵まれた環境にあることです。

 

 近年、自己点検と外部評価により、教育の質を常に改善することが求められています。欧米先進諸国では、医学教育の客観的評価を以前から実施しており、日本でもグローバル化に対応した国際的に通用する医師養成制度を確立すべく、国際基準に対応した医学教育認証制度の確立を目指して国際基準に則った分野別評価認証制度が始まりました。本学部も平成30年10月初旬に予定している国際認証受審の準備を進めています。また、国際貢献の一環として、愛媛大学とともに、JICAが支援するモンゴル国立医科大学の附属病院建設に伴う人材育成への教育支援を開始しています。

 

 本学部の教育目標は、地域医療へ貢献できる人材育成にとどまらず、生命の摂理を解明し、その研究成果を基に新しい予防や治療法の開発に貢献できる人材、世界に情報を発信できる国際性とリーダーシップを兼ね備えた人材の育成です。組織は人材がいてこそ活性化します。優れた研究も新技術の開発も優れた人材の育成から始まります。私に課せられた任務は、より多くの優れた人材を地域から発掘し、徳島大学を起点にグローバルに活躍できる人材を育成する環境づくりだと心得ております。

 

 

最終更新日:2017年4月1日