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徳島大学デザイン型AI教育研究センターは,デザイン思考を持ったAI人材育成とその応用研究の展開を目的に令和2年4月1日に発足しました.デザイン思考とは,ユーザの視点にたち,ユーザの満足度の高い問題解決を図るための思考法です.当センターは,急速に進むディジタル社会に対応するため,AI技術・データサイエンスを活用し,社会課題の解決にあたるデザイン思考と専門知識を持った人材を育成すること,そしてIT企業等と連携し,国際社会の動向と地域企業等のニーズを踏まえ,高度なAI関連研究を展開することを通して,地域の経済発展に寄与すること,を目的としています.その実現のために本センターは,初級から上級に至る体系的なAI教育を行うAI教育推進部門,AI最先端研究及び企業との共同研究を行うAI研究開発部門,地域を対象とするAI教育塾を展開するAI社会実装部門を配置しています.

AI教育推進部門では社会ニーズを把握して新しい教育方法・カリキュラムを開発し,学生のAI教育を行っています.特に学生のAIに対する関心を深め,適切に理解して活用する基礎的な能力を育成するために,数理・データサイエンス・AI教育強化拠点コンソーシアムが作成した「数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)モデルカリキュラム」に対応したカリキュラムを提供しています.これは「情報科学入門」「データサイエンスへの誘い」を中心に徳島大学に入学した1年生の全学生にデータサイエンス教育を行うもので,令和4年に文部科学省より,数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)の認定を受けました.さらに数理・データサイエンス・AIを活用して,課題解決するための実践的な能力を育成するために,より高度なAI・データサイエンス教育を行っており,令和6年に文部科学省より,応用基礎レベルのプログラム認定を受ける予定です.

AI研究開発部門では,AI関連の共同研究や先端研究の補助を行うことで,世界や日本のトップレベルの企業との連携による新たなAI産業の創出を目指しています.そのために学内のAI研究にかかわる教員と学生が参加する「月例AI研究勉強会」(MAIRS: Monthly AI Research Study Meeting)の開催をしています.これまで32回実施しておりますが,毎回,30~40名程度の学内の教職員・学生が出席し,数名の教員もしくは学生がAI・データサイエンスにかかわる話題提供をした上で,討論をかわしております.また新鮮で大胆な発想をベースに,今までにないAI・DS応用技術をデザイン思考により創出する学生に研究資金を提供する共同研究プロジェクト「デザイン型AIイノベーションチャレンジ」を実施しています.令和5年度は5件(3年生1名,4年生1名,5年生1名,博士前期課程1名,博士後期課程1名)を採択し,総額200万円の助成を行い,各学生に当センターからチューターを派遣し,共同研究という形で研究成果をあげました.

AI社会実装部門では,Society5.0に向けた我が国の成長に貢献できる人材の育成のため,地域の企業,住民,小中高校生対象としたデザイン思考AI教育塾を開催しています.課題解決ワークショップ,プログラミング,データ分析,AIプログラミングの講座が実施される「とくぽんAI塾」を開催しています.これは,マインクラフトをつかった仮想デザイン講座,ドローン飛行プログラミング,Webページ作成,R言語によるデータ分析,ScratchおよびPython を用いたAIプログラミングを,TAを配置して,ほぼマンツーマンの体制で,小中学生のAI教育をしています.またハードウェア制御やIoT作品を開発する「Web×IoTメイカーズチャレンジPLUS in 徳島」を実施しています.前半イベントではRaspberry Pi Zero WHとセンサを利用したハードウェア制御に関するハンズオン講習会をして,徹底的に技術と知識を身に着けてもらった上で,後半イベントでは講習会で学んだ知識活かしたIoT作品を制作するハッカソンをしています.

本センターでは,大学生だけでなく,小学生から中学生,高校生,そして社会人やシニア層まで,デザイン思考を有する読み書きそろばんレベルのAI知識の人材から,自分の分野でAIを活用できる人材,AIの教育・研究ができる人材を育成いたします.どうかよろしくお願いいたします.
 

デザイン型AI教育研究センター
センター長 寺田 賢治


徳島大学デザイン型AI教育研究センター規則  (PDF 168KB)