お酒の話

お酒は飲み方を一歩まちがえると、死に至るケースもあり楽しいはずの席が一転して悲しい場に変わります。

これから一生を通じて付き合ってゆく「お酒」について正しく理解し20歳を過ぎたら楽しいお酒を飲んで下さい。

「アルコール」に関する情報

危険! 死に至るイッキ飲み

イッキ飲ませで失われた若い命(事例紹介)

大阪府出身Kさん(19歳大学1年生 当時)の場合
Kさんは所属クラブのコンパに参加し先輩に酒、ウイスキー、焼酎をストレートで飲まされた。日本酒コップ4~5杯とウイスキーコップ4~5杯くらいは飲まされたと推定される。イッキのみもあったらしい。Kさんは立ち上がろうとしてその場にひっくり返り、トイレで吐き、いびきをかいて寝てしまった。翌朝、ゆさぶってもKさんが起きないので、先輩たちが相談の末、部のワゴン車で救急病院に。到着した午前8時30分、すでにKさんの息はなかった。死因は急性アルコール中毒による急性心不全

酔いつぶれた人の命を救う4回のチャンス

  1. イッキはさせない。
    短時間に大量のアルコールを摂取すると、体内でアルコールの処理が間に合わなくなり、急性アルコール中毒になってしまいます。イッキ飲み、イッキ飲ませは命にかかわります。一人一人の飲むペースを尊重しましょう。
  2. 酔いつぶれた人を絶対一人にしない
    『息苦しそう』、『全身が冷たい』、『いびきをかいている』、『つねっても反応しない』などは危険信号です。これらの信号を見落とさないために絶対に一人にせず、しらふの人がそばにいてあげましょう。
  3. 横向きで自然にはかせる
    酔いつぶれた人を抱き起こして、無理に吐かせるのは大変危険です。吐いたものが逆流してのどに詰まり、窒息することもあります。寝かせる時はあお向けではなく横向き!。吐いたものが自然に口から出て、窒息を防ぐことができます。
  4. おかしいとおもったらためらわず救急車を
    耳元で名前を呼んだり、つねったり身体をゆすったりしても反応がなかったら昏睡状態です。その人は今死と紙一重のところにいます。「事を大きくしたくない」などの対面を気にしている場合ではありません。わずかなためらいで、助かる命も助からなくなってしまいます。すぐに救急車を呼びましょう。

アルハラの定義5項目

アルハラとはアルコール・ハラスメントの略。飲酒にまつわる人権侵害。 命を奪うこともある。

  1. 飲酒の強要
    上下関係・部の伝統・集団によるはやしたて・罰ゲームなどといった形で心理的な圧力をかけ、飲まざるをえない状況に追い込むこと。
  2. イッキ飲ませ
    場を盛り上げるために、イッキ飲みや早飲み競争などをさせること。「イッキ飲み」とは一息で飲み干すこと。早飲みも「イッキ」と同じ。
  3. 意図的な酔いつぶし
    酔いつぶすことを意図して、飲み会を行うことで、障害行為にもあたる。ひどいケースでは吐く為の袋やバケツ、「つぶれる部屋」を用意していることもある。
  4. 飲めない人への、配慮を欠くこと
    本人の体質や意向を無視して飲酒を勧める。宴会に酒類以外の飲み物を用意しない、飲めないことをからかったり侮辱すること。
  5. 酔ったうえでの迷惑行為
    酔ってからむこと、悪ふざけ、暴言・暴力、セクハラ、その他ひんしゅく行為。

イッキ飲みを強要したり、はやしたてるだけでも、刑事・民事責任を問われることがあります。

コンパ主催者・幹事の「責任」4ヶ条!

飲み会シーズンに必読
責任その1
主催者・幹事には、アルハラのない飲み会を行う責任がある。飲めない人のためにノンアルコール飲料を用意すること。

責任その2
「吐かせればよい」という考え方は非常に危険。主催者・幹事は「吐く人の出ない飲み会」にするよう心しなければならない。

責任その3
酔いつぶれた人が出た場合には、主催者・幹事に保護責任が生じる。絶対に一人にせず、意識がない場合は救急医療につなげるなど、最後まで責任をもたなければならない。

責任その4
未成年者の飲酒は法律で禁じられている。20歳未満は身体が未発達なため、飲酒によって悪影響を受ける。未成年に飲ませてはならない。

参考: ASK特定非営利活動法人アスクのホームページ

(イッキ飲み・アルハラ防止)のページより

酔いのメカニズム

酔いのメカニズム4段階 -酔うとは脳が麻痺することであるー

ほろ酔い

大脳新皮質が麻痺したイメージ図

血中濃度:0.02~0.1%
大脳新皮質が麻痺。理性の抑制がはずれる。また一方で気分がほぐれリラックスできるという効用も。酒を「百薬の長」にするには、この段階で付き合うこと。

酩酊

大脳辺縁系に麻痺が及んだイメージ図

血中濃度:0.1~0.2%
大脳辺縁系に麻痺が及び「酔っ払い」状態に。同じ話を繰り返す、隣の人にからむ、ろれつがあやしい、足元がふらつく・・・・。こんな兆候が出たら飲むのは即ストップ。

泥酔

麻痺が大脳全体に広がったイメージ図

血中濃度:0.2~0.3%
麻痺は大脳全体に広がり、脳幹や脊髄にも及び始める。「酔いつぶれ状態」吐いたものを詰まらせて窒息の危険もあるため、絶対に一人にしない。誰かがつきそって病院へ。

昏睡→死

麻痺が延髄まで広がっているイメージ図

血中濃度:0.3~0.4%(昏睡) 0.4%(死)
麻痺は脳幹、脊髄から呼吸中枢のある延髄へ。ここがやられてしまったら後は死へ。たたいても、つねっても反応がなかったら一刻を争う。とにかくすぐ救急車を!

悪酔いしないための飲み方

  1. イッキ飲みは絶対にしない。
  2. 笑いながら共に楽しく飲もう
  3. 自分のペースでゆっくりと
  4. 食べながら飲む習慣を
  5. 自分の適量にとどめる
  6. 週に2日は休肝日を
  7. 他人にお酒を無理強いしない
  8. 薬と一緒に飲まない
  9. 強いアルコール飲料は薄めて
  10. 遅くとも夜12時できりあげよう
  11. 肝臓等の定期検査を受けよう

アルコールパッチテスト

お酒を飲んで悪酔いするかしないかは生まれつきの体質です。お酒に強いか弱いかを決めるのはALDH2(アセトアルデヒド脱水素酵素2型)という酵素。

アルコール分解の過程

アルコール分解の過程を表したイラスト

胃に入ったアルコールは主に十二指腸、小腸で吸収され血液中に入ります。
(空腹でお酒を飲むと悪酔いするというのは、アルコールが簡単に胃を通過して腸に入り、すぐに吸収されるため血中アルコール濃度が急激に増えるからです)

血液中のアルコールは肝臓で分解されます。

アルコール分解酵素によりアセトアルデヒドに分解

*アセトアルデヒド
いわゆる悪酔い物質、顔面紅潮、吐き気、頭痛を引き起こす

ALDH1(アセトアルデヒド脱水素酵素1型)
ALDH2(アセトアルデヒド脱水素酵素2型)
により水と酢酸に分解

日本人の約4割はこのALDH2が欠けていたり、うまく働かないといった体質を持って います。そのため全く飲めなかったり、少量飲めても悪酔いします(「飲めない族」)

反対に残りの6割はALDH2の働きにより頭痛や吐き気をあまり経験しません。その為 アルコール依存症や内臓疾患にかかる可能性が高いのです。(「危ない族」)

アルコールパッチテストのやり方

あなたの体質を簡単に知る方法があります。それがアルコールパッチテストです。(皮膚でALDH2の酵素活性反応を調査する)

バンソウコウにスポイトでエタノールを垂らしている
1.パッチテスト用バン
ソウコウに消毒用エタ
ノールを2~3滴たらす。

バンソウコウを前腕内側に貼っている
2.前腕内側に貼り
7分間後にはがす。

バンソウコウをはがしたところ
3.皮膚の状態を判定。
赤くなっている:検査終了
変化なし:10分後再判定

各種お酒の適量

種類 目安
ビール 中びん 1本 500ml
清酒 1合 180ml
ウイスキー・ブランディー ダブル1杯 60ml
焼酎 0.5合 90ml
ワイン 2杯 240ml

判定基準

7分後経過

左右に分かれた矢印

赤くなる 変化なし

検査終了
全く飲めないタイプ

ALDH2が全く働かない体質。少量のアルコールで頭痛、吐き気、血圧の急降下、ショック状態になる場合もある。急性アルコール中毒の危険が大。日本人の約1割がこの体質

バンソウコウをはがしたままさらに10分待つ

10分経過

左右に分かれた矢印

    赤くなる 変化なし
   

検査終了
ホントは飲めないタイプ

ALDH2がわずかしか働かない体質。 赤くなりながら飲んでいる人。 肝臓を壊しやすい。 日本人の約3~4割がこの体質

検査終了
飲めるタイプ

ALDH2が働く体質。 悪酔いしにくいため、飲みする危険大。 アルコール性肝疾患やアルコール依存 症になりやすい。 短時間にたくさん飲むと急性アルコール 中毒に。イッキ飲みの標的に注意! 日本人の5~6割がこの体質

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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