今回センター長を拝命することになりました。平成12年4月1日 に設置されてから、西谷 弘教授、足立昭夫教授、前澤 博教授、 篠原康雄教授の先生方が歴代のセンター長を務めてこられました。 その間センターは施設・設備を始め人員に至るまで大きな発展を遂 げました。私はその後のセンター長として、アイソトープ総合セン ターを大学においてのみならず、地域においてもどのように位置づ けしていくか重大な責任を感じています。
放射線・放射性同位元素の利用や測定におきましては、どのような 放射線も測定・利用できる学内の教育研究施設として教職員・学生・ 院生の皆様の研究や教育に貢献できるようにしたいと思います。その ためには、本学にはないγ線照射装置の導入や設置するための新たな 施設の整備を行うことを考えています。また、RIを使用する動物実 験室が手狭でありご不便をおかけしていますが、同時にその拡張をし たいと考えています。γ線照射装置設置室と動物実験室からなる新た な実験施設です。本実験施設が設置されますと、γ線を使用した放射 線生物学研究や放射線防護剤研究、放射線検出材料研究、ラジカル研 究や放射線化学研究など、従来本学ではできずにご不便をおかけして いた研究ができるようになります。さらに、γ線照射後のマウスの PET/CTやPET/CTをしたマウスの他RIを使用した研究など新たな 研究の展開も期待できます。また、福島第一原子力発電所の事故によ る原子力災害に対して必要な放射線測定や放射能の算出に対して即応 できるための機器類や基準放射能の整備も行っていきます。
一方、現在、大学院HBS研究部の小動物PET/CTのオペレーショ ンと管理をセンターの助教と教務補佐員の2名で担当しています。 本年度から本格的に稼働し始めており利用者の皆様の研究成果も出 つつあります。是非、皆様の研究に新たな情報を提供できる装置と してご活用ください。ご利用をお待ちしています。
最後になりましたが、放射性同位元素・放射線は扱い方を誤ると 被ばくや汚染など大きな事故と社会への影響を広げることに繋がり、 一般の方々へ大きなご心配をかけることになります。そのようなこ とがないように、センター教職員で放射線安全管理及び教育訓練を 確実に行いつつ、研究者の皆様の研究支援を強化してまいりたいと 考えております。面倒に感じることもあるかと思いますが是非共ご 協力いただきますようお願いいたします。
センターの利用統計として、センター利用講座の研究について当 該年度の報告(A4一枚の様式)を年度末にお願いすることになる と思いますが是非共ご協力をお願いいたします。これは、学内外に センターがどのように利用されているかを明らかにします。また、 5年に1回作成しています自己点検評価報告書(平成21年〜平成 25年)を来年作成いたします。そのため平成26年度早々にセンター を利用した研究の論文発表と学会発表についてお尋ねいたしますの でご協力よろしくお願いいたします。