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平成27年度PBLチュートリアル講習会

2015年7月16日

平成27年度PBLチュートリアル講習会

日時:平成27年7月13日(水)18:00-20:40

場所:スキルスラボ8(総合研究棟2階)

タスクフォース:赤池雅史1,2、三笠洋明1、岩田 貴2,3

                     1医学部教育支援センター、2 医歯薬学研究部医療教育開発センター、

                     3教養教育院(仮称)設置準備室医療系基盤教育分野

共催:医学部教育支援センター、医学部FD委員会、医学部教務委員会、

協力:医歯薬学研究部医療教育開発センター

 

合計18名(全員臨床系)の参加があり、ミニレクチャーとシナリオ作成のワークを行いました。参加者によるポストアンケートでは、5点満点で、ミニレクチャーは4.25、ワークショップは4.25、全体としては4.31、タスクフォースの働きには4.25と、高い評価をいただきました。

 

■ミニレクチャー「PBLチュートリアル教育が目指すもの」

 

講師:赤池 雅史

要旨:必要な知識・技能の爆発的増加と求められる卒業時レベルの上昇がある一方で、高度かつ安心・安全な医療、ならびに専門的かつ全人的な医療の提供、ローカルかつグローバルな視点、予測不能な未来を切り開く力が強く求められており、自立・協働・創造の力を持った人材育成が急務である。医師に必要な能力としては、問題解決レベルを含めた知識領域、技術領域、態度領域があり、知識領域に関しては、受動的講義では知識の定着率は5%程度であることから、双方向性、小グループ学修、演習・ゼミ形式などのアクティブ・ラーニングの導入が重要である。また、日本の医学生は米国の医学生と比べて、卒業時点でhistory taking、physical examination、clinical reasoning、case presentationの能力が劣っていると指摘されており、これらの能力をDoesのレベルにまで引き上げるために、準備教育を含めた臨床医学教育の充実が必要である。また、医学を目の前の患者さんに活かすには、evidenced-based medicineとnarrative-based medicineを繋ぐ力、すなわちサイエンスとアートの力が必要であり、それには専門的能力と一体となった汎用的能力が不可欠である。さらに、Kolbによる学びのサイクルや経験学習理論に基づいた教育の展開により、学修者をreflective practitionerへと育てていくことが求められている。PBLチュートリアル教育は、シナリオ(ペーパー症例)、小グループによる自己決定型学習、チューターによるファシリテーションの3つの要素で構成されており、診療の流れをシミュレーションしながら、ブレインストーミングの手法でディスカッションを行い、事実の把握、仮設の立脚、知るべきことの抽出、学習課題の作成、自己学修、学習成果発表の過程を通して、4つの学習項目(基礎的、臨床的、社会疫学的、行動科学的)について学んでいく。さらに学生はこの学修プロセスそのものについても常に振り返りを行うことで、アクティブラーナーへの成長を目指す。チューター教員は、このような自己決定型学修プロセスをファシリテートすることが役割である。そのためには、チューターは、一方的に知識を伝授せず、学生に気づきを促すことが必要であり、雰囲気作り、傾聴、見守り、学生への問いかけ、学修方法のアドバイス、自分の経験の紹介が重要である。 

 

■WS「効果的なPBLチュートリアルシナリオ作成」

 

PBLチュートリアルシナリオでは、このような医学教育の課題を十分に認識しながら、診療マニュアルの丸覚えにならないように、ブレインストーミングを基本として、振り返り(省察)を繰り返しながら、考える習慣をつけさせる必要性があり、それにはファシリテーターとしてのチューターの役割と自己決定型学習を促す優れたシナリオの作成が重要である。

学習内容の量と質が、4年次4~12月の学習段階に適している、2)基礎医学、臨床医学、社会疫学、行動科学の学習項目をすべて含む、3)臨床の文脈の中で学生自身が考えることが可能、4)学生のグループ討論が活発になる、5)学生の自己決定型学習が促進される、6)チューターによるファシリテートがやりやすい、の6つの条件を満たすシナリオ案の作成を参加者全員が行った。全体発表では、急性虫垂炎、消化性潰瘍、統合失調症のシナリオが取り上げられ、学習のアウトカム、学習課題、ストーリー(症例、場面、展開)、呈示データ、議論を促進するチューターの質問、必要な物品・設備の各項目について、意見交換を行った。

 

 

風景2  風景1

 

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