分子情報薬理学

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研究概要

 

※ 水口博之元准教授は、平成29年9月1日付で

  大阪大谷大学薬学部薬理学講座の教授へと栄転されました。

 

本研究室のメインテーマ

 「薬物受容体の情報伝達調節機構に関する研究」

 

受容体により担われている生命や病態の根本原理や意義、または疾患治療薬の開発などについて常に考え続け、

日々研究に取り組んでいます。

 

現在の研究テーマ

<研究戦略1>

我々は癌とプロスタノイド受容体との関係について、特にその分子情報伝達機構を中心に、Gタンパク質共役型受容体情報伝達系の解明を進めている。そのことでプロスタノイド受容体の関与する癌を含む生活習慣病への効果的な予防法・予防薬、あるいは新しい薬物治療・改善薬の開発に繋げ、今後の超高齢化社会を迎えるにあたり必要かつ有益な情報の提供を目指している。

 

我々は特にEP4プロスタノイド受容体に注目し、EP4受容体による生体の恒常性維持機構の破綻が、大腸癌をはじめとした病態の悪化に大きく関与している可能性を示唆してきた。現在進行中のテーマは、破綻したEP4受容体情報伝達系を、正常状態近くにまで引き戻せる機構を中心に展開している。

 

主な研究テーマ

 

(1)アレルギー疾患などに罹患していると大腸癌の発症リスクや死亡率が下がるといった疫学研究をベースに、

   インターロイキンやヒスタミンなどにより引き起こされる情報伝達系が、EP4受容体に与える影響などを解析し、

   癌悪性化抑制メカニズムを研究している。

 

(2)大腸内環境をコントロールする腸内細菌が産生する生理活性物質である酪酸などが、

   EP4受容体発現を制御するメカニズム解明などからも大腸癌予防に重要なシステムを解析している。

 

(3)受容体は、ひと昔前のように単なる鍵に対する鍵穴ではなく、それに作用する物質などにより、

   正にも負にもその活性を変動させることが明らかとなりつつある。

   そこでそのメカニズムを、「バイアス・リガンド」という概念から解き明かし、

   生体内に存在する抗癌作用を引き起こさせる生理活性物質やその作用機序についても解析している。

 

(4)現在の生体反応や病態メカニズム解明の糸口は、

     生命が辿ってきた進化の中に合目的に存在していると考えている。

   そのような時間軸をからめて生命現象を俯瞰・解析・考察することで、現代の病態である癌発症過程などを理解し、

   今後の人々のQOLの改善などに貢献したいと我々は考えている。