医薬品病態生化学

研究概要

当分野は小胞体のシグナル特性を切り口にして、生命現象とその異常版である病態の分子基盤を追究しています。主要課題の一つが、遺伝情報保存システムと免疫システムの包括的制御です。遺伝情報の保護はかなりの部分でDNA損傷応答に依存しています。同応答はゲノム上の傷を修復することに加え、重度のDNA ダメージを負った細胞のアポトーシスを誘発し、ゲノムの不安定化による発癌リスクを軽減します。免疫系はDNAの傷害要因の一つである紫外線によって抑制されます。この紫外線に対する応答、つまり光免疫応答は白斑や尋常性乾癬に対して紫外線照射療法を行う根拠になっています。また、皮膚癌の約9割が日光露光部に発生することも光免疫応答との関連で語られています。このように遺伝情報保持システムと免疫システムの間には機能的な重なりが窺い知れますが、その動作原理は謎です。例えば、光免疫応答にしても、紫外線が引き起こすDNA損傷応答の帰結点として一元的に説明するのは困難です。したがって、DNA損傷応答と光免疫応答を効率的に臨床応用するためには、各応答に固有のシグナル伝達系がどのように交錯するのかについて、踏み込んだ解析が不可欠です。

 

 

私たちは最近、小胞体タンパク質の一つがDNA損傷応答と光免疫応答の双方に関与する事実を見出し、両応答が小胞体で交錯するモデルを提唱しています。 DNAの傷害や紫外線による細胞内環境の変化を小胞体がどのように感知しているのか?その情報を、細胞の運命を規定するシグナルへとどのように変換しているのか?小胞体のシグナル統合・発信能に関するこうした疑問に解答することが私たちの当面の課題です。「遺伝情報保持システムと免疫システムのクロストーク」を制御可能なものにして、将来の医療現場に還元したいと切に望んでいます。

 

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最終更新日:2014年10月7日