作用機序・機能解明ツールの開発

小型蛍光プローブ1,3a,6a-トリアザペンタレン

 バイオイメージング技術や有機発光性材料などの急速な進展により、新たな機能を有する蛍光性分子及びその実用的供給法の開発が強く求められています。当研究室では、特異な10π系芳香族化合物であるトリアザペンタレン類 (1)  が、コンパクトでありながら強い蛍光を示す優れた蛍光発色団であることを見出し、その簡便な合成法を確立しました。トリアザペンタレン類は、大きなストークスシフトと強いソルバト蛍光クロミズムを示すことに加え、2 位置換基の電子的要因に応じて蛍光波長が大きく変化する興味深い性質を示します。これにより、蛍光発色団の物性を殆ど変化させることなく、色調のみを自在に制御できる画期的なコンパクト蛍光分子の提供が可能となりました。実際に、黄色蛍光分子が蛍光標識試薬として東京化成より近日発売予定となっています。また、生きた細胞内での蛍光観察にも成功しており、低分子生物活性化合物の蛍光標識基として有用であることが明らかにされています。

 現在では、このトリアザペンタレンを利用し以下の研究課題に取り組んでいます。

1)特定細菌の簡易検出法の開発

2)高感度鉄イオンセンサーの創製

3)トリアザペンタレンの光分解反応を利用したアセチレンの新規変換反応の開発

 

ペンタ用.jpg

 

 1) Namba, K.; Osawa, A.; Ishizaka, S.; Kitamura, N.; Tanino, K. J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 11466.

 

 2) Namba, K.; Mera, A.; Osawa, A.; Sakuda, E.; Kitamura, N.; Tanino, K. Org. Lett. 2012, 14, 5554.

 

 

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有機合成薬学