2000年一般開放 一回目

2000年の第1回目の開放が7月14日に行われました。今年の梅雨はあまり雨がなく,薬草園の植物も少し疲れがちでしたが,開放には格好の日和でした。今回も60名に上る方が参加して下さいました。

今回の開放から,植物園の案内を大学院生のみなさんにやっていただくことにしました。大学院生と言っても植物の専門家ではありませんので,なかなか一朝一夕に説明ができるものではありません。そこで,何日も前から薬用植物園に通って,教官が教えて,みんなで勉強をしました。帰ってきたら夜遅くまで集まって自主的に勉強会をしていました。薬学部の学生でも,植物の勉強ができる機会はあまりありませんが,今回は学生さんたちにとっては本当によい勉強の機会となりました。

今回の開放は,いわばこの成果発表だったのですがいかがでしたでしょうか。おそらく不十分な点も多かったのではないでしょうか。また,逆に皆様方から教えていただいたこともたくさんあったのではないかと思います。せっかく遠方よりいらしていただいたのに十分なご説明ができなかったことは,教官としてまことに申し訳なく思っております。しかし,「大学は教育の現場である」ということに立ち返ると,こちらからの一方的な教示だけではなく,双方通行(教え,学ぶ)の学習姿勢は学生にとってとても大切なことです。そういった意味で今回の開放行事はとても意義があったと思っております。

今後も皆様のご指導,ご教示を仰ぎながら,よりよい開放行事にしていきたいと思っておりますのでどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

皆様,お暑い中ありがとうございます。
高石教授の方から生薬,漢方薬,民間薬のお話がありました。みなさんが使っておられるのはどれでしょうか?違いが解っていただけましたか?
大切なことはいたずらにブームに乗らないと言うことです。みなさん一人一人が正確な知識を持ち,賢い判断でつかうのが最も上手な使い方です。ある植物を飲んでいればそれで大丈夫なんてものはありません。また,あの人に効いたからと言って自分に聞くとは限らないのです。
この後,全体を6班に分けて園内をゆっくりとご案内いたしました。今回は約2時間かけてご案内いたしました。かなりお疲れになったと思っていたのですが,やはり,植物や薬草にご関心の高い方ばかりでしたので最後まで熱心に聞いていただけました。漢方薬園では村上助手がご説明いたしました。ここには,「漢方薬」の材料として用いられている薬用植物が栽培されています。ここでは,厚生省が発表している汎用210処方に出現する頻度順に植物を配置していま す。1番は「甘草」,2番は「生姜」です。ミカンや,モモなどおなじみの植物が多いと思えば,「麻黄」など,本邦には自生しない植物もあります。

ロックガーデンは軽石と岩でできていますが,雨水がしみこんで,さらに空気が通ることで常に軽石が冷やされた状態になっています。いわば天然の冷蔵庫といったところです。ここでは寒冷地や高山地帯に自生している植物が栽培されているのですが,真夏の徳島市でも栽培できるのはロックガーデンのおかげです。また,ナルトオウギ,スズカケソウなどの希少植物も栽培しています。

左の写真で説明しているのは博士後期課程3年生の敷島くんです。

 

ロックガーデンにはいろんな花が咲いていましたが,みなさんごらんになれましたか?あまり目を引かない花ですが,サイコやボウフウは大切な生薬です。中には,ドクニンジン,ジギタリスといった恐ろしいものもありました。

 

左の写真で説明しているのは博士前期課程2年生の森下君です。
蔓生の植物の棚には,たくさんの植物が絡んでいました。ツルドクダミ,オオツヅラフジ,ホップ,ヤマノイモ,クズなどがありましたが,みなさんは区別が付きましたでしょうか。このほかにもセンニンソウ,サネカズラなどがあります。また,この近くにクサギ,コクサギがありました。

 

左の写真で説明しているのは博士後期課程2年生の菅さんです。また,左下の写真で説明しているのは博士前期課程2年生の近藤君です。
そのほかにも樹木園,水生植物,果樹園,染料植物園などををごらん頂きました。かなり多くの種類があったと思いますが,その多くは既にご存じの植物ではなかったでしょうか。私たちの身の回りにもたくさんの薬用植物があることがおわかり戴けたと思います。

 

上の写真で説明しているのは博士前期課程2年生の藤田さん,そして,左は同じく博士前期課程2年生の溜本さんです。
ハーブ園は川添講師がご案内いたしました。今年度から作り始めたハーブ園で,まだ十分に生育していませんが,これだけのハーブを一カ所で栽培しているところは徳島県では少ないのではないかと思います。

 

ハーブと一口に言っても,香りのあるもの,味のあるもの,色のあるものとさまざまです。ステビア,スイートハーブメキシカンといった甘い植物もありました。カモミールにもさまざまな種類があって,それぞれ使い分ければ楽しい使い方ができることもおわかり戴けたと思います。
最後は恒例の質問コーナーです。今回もさまざまな質問が飛び出しました。教官3名でお答えしましたが,十分な回答でしたでしょうか。私たちも,大変勉強になりました。

 

今日はお暑い中,長時間にわたりおつきあいいただき本当にありがとうございました。また,ご来園の機会がありますことを心よりお祈り申し上げております。

 


質問コーナーで宿題となっていたことです…
「なぜ薬を『服』するというのでしょうか」

 

漢和辞典を調べますと,服という字は「もと舟の両側の板(一説にそえ舟)の意を表したが,ひいて,そえもの,身につける「きもの」の意に用い… (角川 新字源より)」とあります。服の左の月偏は実は「舟」が変化したものだそうです。つまり,「身につける」という意味から「用いる」意味になり,そこから「飲む」という意味に使われたようです。一方,服には「(人を)従わせる」と言う意味もあり(服従,服務など),薬は単に飲むだけでなく,それによって人の状態を変化させることからこの字が用いられたのではないでしょうか。因みに,中国では以前は「服」を薬を飲む意味に使っていたようですが,現在では「吃」(食べる)を用いています。

最終更新日:2009年4月9日