研究内容

2011年10月13日

研究内容

・生体内における一酸化窒素(NO)は、血管拡張作用だけでなく抗凝固作用・抗増殖作用・神経伝達物資などの多様な生理作用を持っている。

NOは、生体内ではL-アルギニンを基質としてNO合成酵素(NOS)により産生されて、亜硝酸イオン(NO2-)や硝酸イオン(NO3-)はNOの単なる代謝産物であると信じられている。

しかしながら、我々はNO2-の経口摂取により胃内で非酵素的にNOが産生されること、また、腎臓の虚血再灌流時にNO2-由来のNO産生系存在することを明らかにした。

現在、亜硝酸由来のNO産生系の生理的・病態生理的意義について検討を加えている。

 

・酸化ストレスが多くの循環器疾患の発症・進展に重要な役割を担っていると考えられているが、その予防法については確立されたものはない。我々は食品由来の抗酸化物質や多くの降圧薬の酸化ストレスに対する効果を細胞内情報伝達機構に及ぼす作用から検討を加え、酸化ストレスに対する新しい予防法・治療法の開発を目指している。

 

・肥満および糖尿病時では微小血管障害による心血管合併症を引き起こし、その結果、重大な臓器障害を引き起こし人々の生活の質を著しく低下させる。内臓脂肪細胞からは、各種アディポサイトカインが遊離されていることが知られており、これらのアディポサイトカインによる微小血管障害の予防は、肥満および糖尿病時に伴う循環器障害の予防に直接つながる。

アディポサイトカインによる微小血管障害の解析・評価方法を確立すると共に、肥満や糖尿病で高頻度に発生する血管内皮細胞や血管平滑筋障害の新しい治療法の開発を目指す。

 

研究テーマ

  • 食原性亜硝酸由来の一酸化窒素(NO)産生系の生理的・病態生理的意義
  • 腎および脳虚血再灌流時における亜硝酸由来
  • NO産生系の生理的・病態生理的意義
  • 食原性機能性因子による循環臓器障害予防
  • Adipocytokine と循環器障害
  • 酸化ストレスと腎障害
  • 降圧薬の臓器保護作用

Electron paramagnetic resonance(EPR)装置は、活性酸素種やNOなど生体に存在するラジカルの同定・定量に必修である


 


14N亜硝酸と15N 亜硝酸に由来するHbNO EPR signal


 


ラットに15N 亜硝酸を経口投与したときの静脈血中 Hb15NO EPR signal

 

投与前(A)、投与後15分(B),投与後60分(C)


 


L-NAME 慢性投与による腎障害と亜硝酸慢性投与によるL-NAME腎障害の改善効果


 


PDGF 刺激によるメサンギウム細胞の遊走をadiponectin が抑制する