宇宙実験への道(1話~11話)

2011年10月17日

宇宙実験への道(12話~)

1話:星に願いを「きぼう」に未来を。2008.7.7

第1話 私達の研究グループは、第1期利用(2008年から2010年中頃)国際宇宙ステーション「きぼう」宇宙実験棟での実験を予定しています。

 

研究テーマ「蛋白質ユビキチンリガーゼCblを介した筋萎縮の新規メカニズム」略称:MyoLabは2002年に募集が行われた第4回ライフサイエンス国際公募で選定され、
現在は来る宇宙実験本番に向けてこの徳島大学で予備実験を日々行っています。

実験の様子などを織り交ぜ、これからブログ形式にて月に数回の更新を行い(頑張れ私!)、
わかりやすく皆様に伝えていきたいと思います。

今日は年に一度の七夕です。

私達が星を見上げる時、宇宙では国際宇宙ステーション「きぼう」宇宙実験棟の建設が着々と進められています。
今晩は、星に願いを「きぼう」に未来を託して祈ります。

 

2008.7.7七夕の夜にて。
担当:原田晃子

JAXAホームページ内にMyo Labトップページが開設されました。Myo Labの実験内容と展望についても、一般の方々にも大変分かりやすく説明しています。是非、ご覧ください!
JAXAホームページ内のMyo Labトップページはこちら(JAXAホームページにリンクします)。

http://kibo.jaxa.jp/experiment/theme/first/myolab/

宇宙実験への道は、
現在、上部左にある「12話から」へ続きます。 ブログ更新中です

 

第2話:国際宇宙ステーション「きぼう」で私たちは何をするのか?2008.7.31

第2話

細胞培養容器の比較

私達は国際宇宙ステーション「きぼう」において、宇宙滞在における筋肉の萎縮の現象を明らかにします。

 

宇宙空間で長期間滞在すると筋肉の萎縮が生じることはよく知られている事実です。
1982年211日に及ぶ宇宙飛行を終えた飛行士の筋肉は、約3分の1に減少し、地上で100歩を歩くのがやっとの状態だったといいます。
このように微小重力下においてもたらされる筋萎縮は、人類が宇宙開発を進めていく上で重要な課題のひとつです。

また地上においても、高齢化社会を迎え増大する筋萎縮症疾患(廃用性筋萎縮等)への原因解明への応用が期待出来ます。

以前、1998年のSTS-90ミッションでの研究結果において、ラット(ドブネズミ種の実験動物)の腓腹筋(後足の筋肉)内では、インスリンの作用を細胞内で伝達するタンパク質がユビキチンというペプチドで標識され(ユビキチン化)、分解されていました。
通常、インスリンが筋肉に作用するとグルコースの取込みが増え(糖代謝)、タンパク質の合成が亢進し筋肉の肥大が生じます。

実際に「きぼう」宇宙実験棟では、筋肉の細胞であるL6細胞を培養し、微小重力環境における筋肉の萎縮に関与する細胞内の蛋白質分解経路を解明します。

写真
左:地上で一般的に用いられる細胞培養容器(フラスコ)
右:微小重力下での「きぼう」内で用いられる特殊な細胞培養容器
容器の中は培地で完全に充填し、気泡の接触による細胞死を防ぎます。
片面はプラスチックで細胞を接着し培養させ、片面はガス交換ができる特殊な膜にて構成されています。

 

2008.7.31パラグライダー記念日にて(宇宙と関連あるような無いような???)
担当:原田晃子

JAXAホームページ内にMyo Labトップページが開設されました。Myo Labの実験内容と展望についても、一般の方々にも大変分かりやすく説明しています。是非、ご覧ください!
JAXAホームページ内のMyo Labトップページはこちら(JAXAホームページにリンクします)。

http://kibo.jaxa.jp/experiment/theme/first/myolab/

宇宙実験への道は、
現在、上部左にある「12話から」へ続きます。 ブログ更新中です。  

 

第3話:オープンキャンパス 2008.8.7

第3話1

高校生をはじめ多くの方が来室されました。

第3話2

研究者としてこのドアを開けるのはあなたかもしれない。

今日は栄養学科のオープンキャンパスでした。

 

午前中、生体栄養学の研究室にも多くの高校生、保護者の方、高校の先生方が来室されました。
本研究室の学部4年生安部知紀君と尾脇加奈子さんがプロジェクターを用いて研究内容を説明し、JAXAから頂いたパンフレットを配布しました。
安部君と尾脇さん、準備お疲れ様でした。

今日お越し頂いた皆さんは、限られた時間の中での栄養学科内の研究室めぐりでしたので、1つの研究室にゆっくりと滞在はできませんでしたが、
大学の研究室の雰囲気は、味わっていただけたと思います。

「栄養学」「宇宙」「筋肉」に興味をもたれた方は、是非、徳島大学医学部栄養学科を受験し、一緒に研究を行いましょう。

 

2008.8.7  
担当:原田晃子

JAXAホームページ内にMyo Labトップページが開設されました。Myo Labの実験内容と展望についても、一般の方々にも大変分かりやすく説明しています。是非、ご覧ください!
JAXAホームページ内のMyo Labトップページはこちら(JAXAホームページにリンクします)。

http://kibo.jaxa.jp/experiment/theme/first/myolab/

宇宙実験への道は、
現在、上部左にある「12話から」へ続きます。 ブログ更新中です。  

 

第4話:振動試験の為、L6細胞は筑波宇宙センターへ運ばれる 2008.9.10

第4話1

培養中のL6細胞

第4話2

顕微鏡下にて拡大したL6細胞の画像

私達の研究では、筋萎縮のメカニズムを解析するためにL6細胞(ラットの筋芽細胞(筋肉に由来する細胞))を、
国際宇宙ステーション内にある日本実験棟「きぼう」にて培養し研究に用います。
細胞は、はるか約400kmもの上空にある実験場所「きぼう」まで
スペースシャトルにて運ばれます。

 

ここで問題となるのは、スペースシャトルの「振動」です。
培養中の細胞がこの振動で剥がれ落ちないか、
また培養器と培養プレートがひずみにより不具合を生じないかを試験します。

よって今日、実際、宇宙実験で使用される特殊な培養プレート(第2話参照)に
L6細胞を培養させた状態で、振動試験が実施される筑波宇宙センターへ運ばれました。

来週実施される振動試験に無事合格できることを
徳島から祈ります。

 

プチ情報:
今月から「宇宙の日」ふれあい月間に入りました。

「宇宙の日」は、1992年毛利衛宇宙飛行士がスペースシャトルにて
初めて宇宙へ飛び立った日である「9月12日」です。
今月から来月まで宇宙に関連した様々なイベントが実施されています。

今年の「宇宙の日」ふれあいフェスティバルは、
9月13日、14日の2日間、徳島県阿南市科学センターをメイン会場に開催されます。
また阿南市情報文化センターでは、宇宙飛行士若田光一氏による
小中学生を優先的に対象とした「スペーストークショー」が開催されます。

徳島で「宇宙の日」ふれあいフェスティバル
(主催:文部科学省、国立天文台、宇宙航空研究開発機構、日本未来科学館、
(財)リモートセンシング技術センター、(財)日本宇宙フォーラム、(財)日本宇宙少年団)が開催されるのは
めったにない機会ですので、是非参加しようと思います。

 

2008.9.10 「宇宙の日」ふれあい月間にて 
担当:原田晃子

JAXAホームページ内にMyo Labトップページが開設されました。Myo Labの実験内容と展望についても、一般の方々にも大変分かりやすく説明しています。是非、ご覧ください!
JAXAホームページ内のMyo Labトップページはこちら(JAXAホームページにリンクします)。

http://kibo.jaxa.jp/experiment/theme/first/myolab/

宇宙実験への道は、
現在、上部左にある「12話から」へ続きます。 ブログ更新中です。  

 

第5話:宇宙実験は2010年2月になりました 2008.12.31

第5話 私達の研究グループは、第1期利用(2008年から2010年中頃)国際宇宙ステーション「きぼう」宇宙実験棟での研究テーマ「蛋白質ユビキチンリガーゼCblを介した筋萎縮の新規メカニズム」略称:MyoLab実験を予定しています。

 

宇宙航空研究開発機構(JAXA)から連絡があり、本番は2009年11月に実施される予定でしたが、2010年2月(予定)となりました。

この時期は、皆さんご存じのように、日本人初のママさん宇宙飛行士である山崎直子宇宙飛行士がスペースシャトル「アトランティス号」(STS-131/19Aミッション)に搭乗します。

現在の予定では私達の細胞も、山崎宇宙飛行士が搭乗する同じシャトルで国際宇宙ステーションのきぼうへ運ばれることになりました。

私も同じ女性として、またこの宇宙実験に関わるのは今回が初めてとなりますので親しみを感じています。

2010年2月のシャトル打ち上げの際には、山崎宇宙飛行士の話題に負けないように、私達の実験も注目されるようこれからも準備に励みます。


2008.12.31
担当:原田晃子

JAXAホームページ内にMyo Labトップページが開設されました。Myo Labの実験内容と展望についても、一般の方々にも大変分かりやすく説明しています。是非、ご覧ください!
JAXAホームページ内のMyo Labトップページはこちら(JAXAホームページにリンクします)。

http://kibo.jaxa.jp/experiment/theme/first/myolab/

宇宙実験への道は、
現在、上部左にある「12話から」へ続きます。 ブログ更新中です。

 

第6話:大みそか 2008.12.31

第6話

2008年大みそかの研究室にて

今日は大みそかです。

 

2008年7月7日からこのブログを立ち上げてから、今日までアクセス数が累計757となりました。皆さんありがとうございます。

教授と宇宙航空研究開発機構(JAXA)からの後押しもあり、このブログを立ち上げ、研究者のみならず一般の茶の間(言い方が古い?)の皆さんにも国際宇宙ステーションのきぼうでの宇宙実験を身近に感じていただけるようにとの思いではじまりました。

「宇宙実験」そして現在、理系離れが進む中で「科学」は身近に感じられたでしょうか?

来年も四国、徳島から発信していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。

皆さん良いお年を。

2008.12.31 来年が良い年となりますようにお祈りします。大みそかの研究室にて。


担当:原田晃子

JAXAホームページ内にMyo Labトップページが開設されました。Myo Labの実験内容と展望についても、一般の方々にも大変分かりやすく説明しています。是非、ご覧ください!
JAXAホームページ内のMyo Labトップページはこちら(JAXAホームページにリンクします)。

http://kibo.jaxa.jp/experiment/theme/first/myolab/


宇宙実験への道は、
現在、上部左にある「12話から」へ続きます。 ブログ更新中です。

 

第7話 MyoLab始動の年。リハーサル実験は4月にケネディ宇宙センターにて実施。2009.1.19

第7話1

MyoLabのロゴマーク

第7話2

ケネディ宇宙センター(JAXA, NASA ホームページから引用)

2009年が幕を開けました。

私達は、宇宙実験の本番を迎え(2010年2月)、MyoLab実験はいよいよ始動の年となります。

2009年4月に約2週間、二川健先生、私(原田晃子)、院生の河野尚平君がアメリカのケネディ宇宙センターにてリハーサル実験を行います。
ここで本番さながら、実験に用いる筋肉の細胞(L6)を培養し、時間的なスケジュールの確認を行います。


左は、私達がデザインしたMyoLab(Myoは筋肉、labは研究の意味)のロゴマークです。

スペースシャトル毎にロゴマークがつくように、宇宙実験のテーマ毎に、シンボルマークをデザインします。

シャトルの噴射煙が筋線維を表し、手をかざす向こうは人類の希望「きぼう」を照らすようにデザインしました。

2009.1.19 NASAが冥王星探査機および太陽系外縁天体探査機であるニュー・ホライズンズを打ち上げた1月19日にて 
担当:原田晃子

JAXAホームページ内にMyo Labトップページが開設されました。Myo Labの実験内容と展望についても、一般の方々にも大変分かりやすく説明しています。是非、ご覧ください!
JAXAホームページ内のMyo Labトップページはこちら(JAXAホームページにリンクします)。

http://kibo.jaxa.jp/experiment/theme/first/myolab/

宇宙実験への道は、
現在、上部左にある「12話から」へ続きます。 ブログ更新中です。  

 

第9話 振動実験結果とNASA50年。2009.3.18

第9話

振動実験後、各培養プレートから総タンパク量と総mRNA量を定量する河野くん

昨年9月にL6細胞の振動実験が筑波宇宙センターにて実施されました(第4話参照)。

その試験後の細胞が戻ってきました。
各培養プレートから総タンパク量と総mRNA量を定量し(細胞が剥がれていると総タンパク量も総mRNA量も減少します)、
振動(スペースシャトルの発着による想定される振動)により細胞が剥がれていないかどうかを試験しました。

結果、スペースシャトルの発着時に想定される振動に対して、細胞は剥がれず、
総タンパク量と総mRNA量も維持していることが分かりました。
ひと安心です。

いよいよ来月に約2週間、二川健先生、私(原田晃子)、院生の河野尚平君が
アメリカのケネディ宇宙センターにてリハーサル実験を行います。

ところで、皆さん15日のテレビ番組、キヤノンスペシャル「人類は宇宙を目指した!~北野武 × NASA 50年~奇跡の挑戦!完全実写」をご覧になりましたか?

NASAとJAXAの今までの宇宙への挑戦と情熱がひしひしと伝わってきました。

私達の実験もその積み重ねの上で成り立っていますので、
絶対に失敗はできない、また宇宙の条件下にて得られる知見を最大限生かさなければならないと感じました。

2009.3.18宇宙開発事業団が静止気象衛星「ひまわり5号」と
国際宇宙実験観測衛星「SFU」をH-2ロケットにより打上げた3月18日にて 
担当:原田晃子

JAXAホームページ内にMyo Labトップページが開設されました。Myo Labの実験内容と展望についても、一般の方々にも大変分かりやすく説明しています。是非、ご覧ください!
JAXAホームページ内のMyo Labトップページはこちら(JAXAホームページにリンクします)。

http://kibo.jaxa.jp/experiment/theme/first/myolab/

 

宇宙実験への道は、
現在、上部左にある「12話から」へ続きます。 ブログ更新中です。

 

第10話 NASAでのリハーサル実験1。2009.4.14-26

第10話1

リハーサル実験はケネディ宇宙センター内のSPACE LIFE SCIENCES LABで実施しました。

第10話2

実験室での様子

2009年4月14日から26日、二川健先生、私(原田晃子)、院生の河野尚平君が
アメリカのケネディ宇宙センター(フロリダ)にてリハーサル実験を行いました。

 

成田(日本)からフロリダ(アメリカ)まで飛行時間約14時間の長旅の後、
ようやくケネディ宇宙センターに到着しました。

ケネディ宇宙センター内のSPACE LIFE SCIENCES LABにて、
Myo Lab(私達のグループ)は、Neuro Lab(鹿児島大学馬嶋先生のグループ)と共にリハーサル実験(細胞の播種、培養、反応、凍結、梱包)を10日間にわたり実施しました。

慣れない場所にて、L6細胞を解凍、培養をし、DCC dish(宇宙実験用の特殊な細胞培養用のプレート)に85枚播種し、
本番さながらの手順で実験を進めました。

このリハーサル実験では、宇宙航空研究開発機構(JAXA)をはじめ、有人宇宙システム株式会社(JAMSS)、日本宇宙フォーラムのスタッフの方に助けられながら、
大きな機器トラブルや培養に問題もなく、無事に全日程を終えることができました。

また同時期で宇宙実験に臨む、Neuro Lab(鹿児島大学馬嶋先生のグループ)チームとも同じ日程、実験室、ホテルでしたので、
何より心強くそして交流を深めながら進めました。

 

2009.4.28
担当:原田晃子

JAXAホームページ内にMyo Labトップページが開設されました。Myo Labの実験内容と展望についても、一般の方々にも大変分かりやすく説明しています。是非、ご覧ください!
JAXAホームページ内のMyo Labトップページはこちら(JAXAホームページにリンクします)。

http://kibo.jaxa.jp/experiment/theme/first/myolab/


宇宙実験への道は、
現在、上部左にある「12話から」へ続きます。 ブログ更新中です。

 

第11話 NASAでのリハーサル実験2。2009.4.14-26

第11話1

ロケット組立棟(VAB)前にて

第11話2

シャトル(本物です!)

リハーサル実験の休みに、幸運にも
ケネディ宇宙センターのシンボルでもあるサターンVを4機も収容することが可能な
ロケット組立棟 (Vehicle Assembly Building:VAB) と
打ち上げ間近のシャトルを見学する機会が得られました。

ロケット組立棟は圧倒されるほど巨大な建物であり、
ここに描かれた星条旗の大きさは、一番だということでした。

このロケット組立棟は、遠くからも簡単に見つけられるのでケネディ宇宙センターの目印となっています。

また打ち上げ間近のシャトルも整備されていました。

シャトルの巨大さ・美しさ・完璧さを目の前にして、
ただその存在感に圧倒されていました。。。

NASAのケネディ宇宙センターに来ている実感が
ひしひしと感じられずにはいられませんでした。

 

2009.4.28
担当:原田晃子

JAXAホームページ内にMyo Labトップページが開設されました。Myo Labの実験内容と展望についても、一般の方々にも大変分かりやすく説明しています。是非、ご覧ください!
JAXAホームページ内のMyo Labトップページはこちら(JAXAホームページにリンクします)。

http://kibo.jaxa.jp/experiment/theme/first/myolab/

宇宙実験への道は、
上部左にある「12話から」へ続きます。ブログ更新中です。