立ちくらみ・失神性めまい

2011年10月13日

立ちくらみは失神性めまいの症状の一つです。失神性めまいは短時間の脳全体の循環障害によるものが多く、原因として起立性低血圧、不整脈などの自律神経系と心血管系の異常によるものがあります。一般に「目の前が暗くなる」、「気が遠くなる」、「血の気が引いていく」、「地面に吸い込まれる」などの眼前暗黒感・失神感を感じ、立ったときに起こる失神性めまいを「立ちくらみ」と表現します。

 

起立性低血圧

臥位や座位から起立時に20mmHg以上の収縮血圧低下を示す状態を言いますが、通常の血圧が正常でもまたは高血圧でも全ての人に起こり得ます。起立性低血圧は、自律神経系の圧受容器反射の障害による神経原性起立性低血圧と、心拍出量減少に伴う非神経原性起立性低血圧に大別されます。一般に非神経原性起立性低血圧では圧受容器反射が作動するために立ったときに脈拍の増加を伴い、神経原性起立性低血圧では脈拍の増加を伴わないことが多いです。

 

神経原性起立性低血圧
  1. 節前型 多系統萎縮症、Parkinson病、Machado-Joseph病、Wernicke脳症、多発性梗塞、脊髄空洞症、脊髄腫瘍など
  2. 節後型 突発性起立性低血圧、ある種の多発ニューロパチーなど
  3. 交感神経緊張型 起立性調節障害、胃切除、褐色細胞腫など

 

非神経原性起立性低血圧
  1. 循環血漿量の減少 脱水、貧血、心不全、内分泌疾患、電解質異常など
  2. 血漿再分布の異常 虚弱体質、長期臥床、妊娠、静脈瘤、高身長など

 

その他(薬物の副作用)

各種の降圧剤、抗うつ剤、麻酔薬、ドーパミン作動薬、抗ヒスタミン薬、β刺激薬など

 

起立性低血圧の治療は自律神経系の機能が深くかかわっているため、生活習慣の改善・食事療法・薬物療法など中心になります。。まず、生活習慣としては過労を避け、十分な睡眠をとり、規則正しい生活を行うようにします。体位変換時に症状が出現する場合は、急激な動作は避けゆっくりと行うように注意します。食事は水分摂取量を多くし、特に合併症の問題がなければ、食塩も多めに摂取してかまいません。薬物療法では精神安定薬、自律神経調整薬、昇圧薬などが用いられます。

 

血圧とめまい

正常な人では全身血圧・脳潅流圧が少々変動しても生理的な範囲内の変動であれば脳血管が収縮もしくは拡張して脳血流には大きな変動が起こらないように働く脳循環自動調節があります。著明な高血圧や低血圧でめまいが起こるのは、脳循環自動調節能の作動範囲を超える高血圧あるいは低血圧が生じた場合です。また、血圧変動は軽度であっても、すでに脳循環自動調節能に異常があるときもめまいが起こります。