聴器腫瘍

2011年10月13日

基本的概念

聴器の良性腫瘍として外耳道の皮脂腺腫や耳垢腺腫、中耳のグロムス腫瘍などがあります。グロムス腫瘍は中耳傍神経節腫ともいい、頸静脈球型(jugular type)と鼓室型(tympanic type)に分けられます。聴器に発生する悪性腫瘍はまれで、全頭頸部悪性腫瘍のうち1%前後といわれています。外耳・中耳癌は50歳以降に多くみられます。

 

症状

耳漏・耳痛がよく見られる症状で、外耳道が閉塞されたり中耳に腫瘍が及べば難聴をきたします。耳漏でも出血性のものは注意が必要です。

その他、腫瘍が進展することで顔面神経麻痺や他の脳神経症状が出てくることがあります。

 

Stellによる外耳・中耳癌に対するT分類

T1 発生部位に限局する腫瘍、すなわち顔面神経麻痺や骨破壊がない

T2 発生部位をこえて進展する腫瘍で、顔面神経麻痺やX線検査上骨破壊が認められるが、原発部位をこえる進展がない場合

T3 臨床的あるいはX線検査にて周辺組織または臓器(硬膜、頭蓋底、顎関節など)への進展が明らかな場合

Tx 以前に診察され、他院にて治療された患者を含めてT分類を行う上でデータが不十分な患者

 

治療

外耳・中耳癌の治療は頻度が少ないことも相まって確立したものはありません。手術による完全摘出が主体になるとの意見もありますが、切除範囲が非常に広範囲になることが考えられます。当科では通常の放射線療法に化学療法を併用し、さらに定位手術的照射を行うことにより治要を行っています。