授業概要(法医学)

2011年10月14日

一般目標

社会をより健全に維持していくためには、適性に法律が制定され、その法律が公正に運用、執行されねばならないが、その過程においては法医学的判断、助言を必要とすることも少なくない。例えば、司法面における法医鑑定などはその代表的なものであるが、行政面における監察医業務などの法医活動も必要である。これらに必要な考え方の知識や技術を付与する。

 

概要

社会医学としての法医学は、医学的解明、助言を必要とする法律上の案件、事項について、科学的で公正な医学的判断をくだすことによって、個人の基本的人権の擁護、社会の安全、福祉の維持に寄与することを目的とする医学である。

 

到達目標

  1. 死後経過時間の推定ができる
  2. 死因の種類を説明できる。
  3. 死体検案の意義を説明できる。
  4. 死体検案の内容を説明できる。
  5. 死亡診断書・死体検案書が作成できる。
  6. 血液型(赤血球型、赤血球酵素型、血清型など)の種類を説明できる。
  7. 個人識別(指紋、血液型、性別、年齢、身長、DNAなど)を説明できる。
  8. 法医学的物体検査(血痕、精液、毛髪、骨、歯牙など)ができる。

 

学習方法

  • 講 義 : 板書、プリント、スライド
  • 演 習 : 死亡診断書、死体検案書作成
  • 実 習 : 血液型、骨検査、精液検査
  • 解剖・検屍 : 見学・補助(希望者)

 

評価方法

  1. 総論・各論試験
  2. 各講義終了時のまとめ、復習テスト(レポート形式)

 

対象項目

【大項目】 【中項目】   【小項目】
法医学概論 法医学の概念 1 法医学の歴史、定義、医学における位置、法医学の法律上の意義
法医学各論 死体現象 2 死の定義と死の判定、早期死体現象、晩期死体現象、異常死体現象、死後経過時間の推定、生活反応
  損傷 3 損傷総論、鋭器損傷、鈍器損傷、銃器損傷、損傷の自他為、損傷死の死因
  頭部外傷 1 硬膜外、硬膜下、クモ膜下出血、脳挫傷、脳浮腫などの頭部外傷に基づく病態と死因
  交通外傷 1 交通外傷の受傷機転、特徴的外傷、交通外傷と死因
  窒息 5 窒息の定義および分類、窒息の経過および症状、窒息死の死体所見、窒息の生理と病理、縊死、絞死、扼殺、溺死、その他の機械的窒息
  異常環境下の障害 2 熱傷死、焼死、凍死、飢餓死、電気損傷、その他
  内因的急死 2 急性心臓死、脳および脳膜の疾患のよる急死、呼吸器系疾患に基ずく急死、消火器系疾患に基ずく急死、その他の疾患に基ずく急死、急死と体質異常
  胎児期から乳児期の死 1 嬰児殺に関する法律上の問題、嬰児死体についての鑑定事項、嬰児の発育程度、生活能力、新生児の生死産別、生後の生存期間、胎児又は新生児死亡の原因、墜落産、新生児又は乳児の変死
  死亡診断書と死体検案書 2 死亡診断書と死体検案書の違い、異常死体と死体検案書、死亡診断書の作成上の注意
  血液型 1 血液型の基本、赤血球型、赤血球酵素型、白血球型、白血球酵素型、血清型、HLA、DNA分析の原理・分析法、DNA多型、親子鑑定一般
  物体検査 1 血痕検査、精液検査、骨の検査、歯牙の検査
  個人識別 1 個人同定一般、個人同定の要目
  法中毒学 2 法中毒概論、アルコールの法医学

 

教科書・参考書

特に指定している訳ではないが、以下の教科書・参考書がわかりやすい。

学生のための法医学(第5版)(久保真一他:南山堂)
エッセンシャル法医学(高取健彦編:医歯薬出版)

 

その他

担当者は久保教授以外に、徳永逸夫助教授、北村 修講師、井尻 巌教授(香川医大)、木村恒二郎教接(広島大)、中園一郎教授(長崎大学)である。