2014年 見学会報告
 
開催日 平成26年10月1日(水)
見学先 JFEスチール西日本製鉄所
倉敷美観地区
倉紡記念館
 平成26年度の見学会は、昨年のアンケート結果も参考に平日としましたので、日本有数の製鉄所の見学と倉敷美観地区を散策することができました。
 結果的には参加人数は48名となり、大型バス1台で出発しました。
 天気予報では少し雨の心配がありましたが、バスは曇り空の中、高松自動車道に入り、讃岐富士を横に見て桃型入口のトンネルを抜け、坂出JCTから瀬戸中央道へと進みました。水島ICで自動車道を降り、出発から2時間半、工場従業員の駐車場の広さに度肝を抜かれながらJFEスチールの西日本製鉄所正門に到着しました。

 最初、見学センターでは案内の西城氏から工場の概要説明を受け、鉄が出来るまでのDVDを見せてもらいました。JFEスチール西日本製鉄所倉敷地区は1961年に開設され、従業員数3,300名、協力事業所の従業員5,000名が働き、敷地面積が1,089万m2で東京ドームの240倍の広さです。
 工場が所属する水島コンビナートは岡山県の出荷額の50%を占め、そのうち半分がこの工場から出荷されたものです。この地は豊富な水源、しっかりした地盤、深い港など製鉄業に適する条件が揃っています。
 製鉄所は大きく分けて原料ヤード、高炉、製鋼、圧延に分けられます。原料ヤードは海外、主にオーストラリアから輸入している鉄鉱石と石炭、国内で調達する石灰石を貯蔵しています。高さ110mの高炉は現在3基が運転中で2.5万トン/日、900万トン/年の鉄を作り続けています。頂部から鉄鉱石とコークスを交互に入れて下から熱風を入れると還元され、下部からは鉄の原料となる1500℃の銑鉄が流れ出てきます。これをトーピードカーと呼ばれる大きなラクビーボール型の容器で300Tを受け、鉄道で次の転炉に運ばれます。バスの中からは高炉の下部から火花を伴いトーピードカーに流れ込むオレンジ色をしたスジ状の銑鉄を見る事が出来ました。銑鉄の中に含まれている炭素、硫黄、燐などの不純物は転炉で酸素を吹き込んで除去し製鋼されます。製鋼された鉄は連続鋳造設備でスラブと呼ばれる大きな分厚い鋼片に鋳込まれ鉄板の素材となります。
 
 今回の見学会ではスラブを薄い板状に圧延する厚板圧延工場を見学する事が出来ました。圧延工場は横に長い建物で、見学廊下は長さが600mで地上から10mの高さにあります。扉から中に入るとたくさんのロールを敷かれた長さ100m程のコンベアが目に入ります。そのコンベアの上流側から真っ赤に焼けた幅が3m×4mで厚さが30cmもありそうな鋼片がゴーゴー、ゴトンゴトンという轟音と共に運ばれてきて圧延機の中に入ります。入り口では大量のシャワーが赤熱の鉄板上に掛けられ水蒸気が吹き上がります。見ている私たちの顔には赤熱した鋼片からの輻射熱が熱く降り注ぎます。鋼片は何度も圧延機に入ったり出たりを繰り返し注文の製品の厚さにまで引きのばされ、厚さ3~4mmの製品では鉄板の長さが55mにもなります。圧延機の周りには人影がまったく見当たらず、素材から製品まで全てがコンピューターで自動制御されています。
この厚板圧延工場では一日に500枚の造船や橋梁用の鉄板が生み出されます。
 
 圧延工場の見学を終えた私たちのバスは幅54m、片側3車線、中央にグリーンベルトのある幹線道路を通り、何度か交通信号に従いながら正門に向かいました。構内は緑が多く、面積の7%が植樹されその数48万本、重量物を扱うため構内の運送は殆どが鉄道輸送で、レールの長さは90kmにも達するそうです。
 12時過ぎにJFEスチールの見学を終えた私たちは、30分ほどで倉敷美観地区の駐車場に到着しました。朝早く出発したためお腹もすいており、早速昼食場所のカモ井寿司でおいしいお弁当を頂きました。 その後、3時に倉紡記念館に集合するまでは自由散策の時間です。倉敷の伝統的な町並みは白壁と黒の家、瓦のグレー、格子と腰壁の茶、そして柳の緑がほとんどすべての色の様に感じました。倉敷川の畔で水彩画を描くOBの方が二人いらっしゃいました。何歳になっても絵は始められると言われましたが、いい趣味をお持ちだなと思いながら後ろから覗いていました。昔ながらのお店を冷やかし、お土産を買い、お茶屋で休憩して団子を食べ甘酒を飲んで、ゆったりと流れる時間を楽しんでみました。

 倉紡記念館は昭和44年3月にクラボウ創立80周年記念行事の一つとして、当時の原綿倉庫が倉敷の街並みに合わせて改造され生まれ変わりました。ここでは我が国の紡績産業の時代の移り変わりやクラボウの歩みが写真、模型、文書、絵画によって綴られています。紡績会社は今では新素材、ハイテク、エネルギー、分析機器メーカーへと変身しているのがよく分かりました。赤レンガの元紡績工場の建物は、女工さんの暑さを防ぐため、当時の社長が自然のエアコンとして植えた緑の蔦で取り囲まれており、見事な景観を残しています。
16時には予定通り全員バスに乗ることができ、18時30分に徳島駅に到着しました。
今回は参加して頂いた皆様には巨大な製鉄所に驚かれ、また感動して頂いたと思います。
また倉敷美観地区は思い思いの時間を使って楽しく過ごして頂いたと思います。
参加者が少し少なかったのは見学会を平日に変更した為なのか、今後検討して来年の見学会に生かしていきたいと思います。
(精密49 宮本良之)