超高分解能フーリエ変換型質量分析装置 (Orbitrap Fusion)

 

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サーモフィッシャー社製Orbitrap Fusion(右)とナノLC(左)。従来のオービトラップ型質量分析装置と比してコンパクトにまとめられている。

  

 

 電場型のフーリエ変換型質量分析計であるオービトラップを用いた最新鋭の質量分析装置です。オービトラップは、磁場型FT-ICR-MSに比べて超電導磁石を必要とせず、小型化が可能であり、またメンテナンスが容易であるなどのメリットを持っています。・最高分解能は磁場型に劣るものの(<24万)、既知のピークを用いたロックマス機構により、高い質量精度(1ppm程度)を実現しています。前段に四重極、分析計であるオービトラップとイオントラップを後段に置き、3つの分析計を平行して使用することで、効率的に高速測定(MS、MS/MS、MSn)することを可能としています。

 

 

 

 

 

 (装置の特徴)

エレクトロスプレー・イオン源によって取り込まれたサンプルイオンは、前段の四重極において選択され(選択幅は0.4Thから1,400Thまで無段階に変えられる)、イオンルーティングマルチポール(IRM)に送られます。通常のMS/MS測定は、高分解能のオービトラップを用いて行われます。IRMはHCDセルの役目も果たし、CIDによる開裂を起こすことができます。生じたフラグメントイオンはCトラップを経由してオービトラップ分析計で解析することも、後段のイオントラップを用いて解析することも可能となっています。

 

 

 

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 また、イオントラップではCIDによるMS/MS測定、MSn測定が可能であるだけでなく、ETD(Electron Transfer Dissociation)による開裂も行えます。

 

 

 サーモフィッシャー社製Orbitrap Fusionの構成。

 

 Orbitrap Fusionがユニークなのは、これまでのオービトラップを用いた質量分析計(サーモフィッシャー社製Orbitrap Eliteなど、前段にイオントラップ、後段にオービトラップを配置し、)と異なり、オービトラップの後段に(あるいは並列して)イオントラップ型分析計をおいた点です。これにより、四重極を用いることでより定量性に優れ、高効率のプリカーサーイオン選択を可能としただけでなく、高分解能のMS測定をオービトラップ分析計により行う間に、後段のイオントラップ型分析計を用いて高速度のMS/MS測定を平行して行うことができます。そのために、プロテオミクスやメタボロミクスなどの複雑な混合物を対象とする解析では、従来のイオントラップ-オービトラップ構成の装置に比較し、10倍近い解析速度を達成しています。

 

 

 

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