高分解能フーリエ変換型質量分析装置

Q-Exactive3.jpg

サーモフィッシャー社製Q-Exactive質量分析計(左)とナノLC

 

(3)四重極オービトラップ型質量分析装置(サーモフィッシャー社製Q-Exactive)

従来の四重極によるプリカーサーイオン選択と、コリジョンセルによるCID、飛行時間型質量分析計(Tof)を組み合わせたQ-Tof型の質量分析装置の分析計であるTofをオービトラップに置き換えた構成を持つ装置です。Q-Tof型の質量分析装置に比べ、オービトラップの特徴である高分解能測定が可能であること(分解能>140,000)、四重極からコリジョンセルを経てオービトラップ分析計に取り込まれる効率が高いことがあげられます。

HCD2.png

  Q-Exactive質量分析計の構成図。右下のイオン源から取り込まれたイオンは四重極によって選択され、Cトラップを経て、オービトラップ分析計に取り込まれます(通常のMS測定)。MS/MS測定では、HCDセルで衝突誘起解離(CID)を起こし、生じたフラグメントイオンはCトラップからオービトラップ分析計に送られ、質量測定されます。
 

 

装置の特徴

 

 オービトラップ分析計の高分解能と四重極の優れた選択性を生かした本装置は、データ依存のMS/MS測定による、プロテオミクスやメタボロミクスにおける構成成分の大規模な同定(ディスカバリー)だけでなく、定量性を生かした既知の物質の定量分析にも威力を発揮します。三連四重極型質量分析計を用いたMRM測定による定量分析と同程度以上の結果が得られます。三連四重極型質量分析計のMRM測定においては、プリカーサーイオンとフラグメントイオンの値をペアで事前にプログラムする必要があり、多成分を同時に分析する時は手作業では面倒です。また、実際の定量分析に先立ち、MS/MSのフルスペクトルを測定する必要があります。一方、Q-Exactive質量分析計を用いたPRM(Pararell Reaction Monitoring)測定においては、プリカーサーイオンをプログラムするだけで、フラグメントイオンは通常のフルマススペクトル測定をし、測定後のソフトウェア処理でと特定のフラグメントイオンを抽出することができる。Q-Tof型の質量分析装置でも同様ですが、飛行時間型では不可能な特定のフラグメントイオンのみを測定し(SIM測定)高分解能測定により夾雑ピークと分離することが可能な点も、トラップタイプの分析計を用いた装置の大きな特徴です。

 

機器の共同利用についてはこちら

 

 

ページの先頭へ戻る