博士後期課程(博士)地域科学専攻

現代的ニーズの「知の総合化」

20世紀の細分化された科学・科学技術・物質文明の長足な進歩の陰で近年,負の遺産とも言うべき,複雑で多様化する多くの解決困難な諸問題が発生してい ます。地球環境問題や地域問題はまさに総合的な問題であり,細分化された科学では問題の総体を捉えることすら困難です。また,科学技術の急速な発展は新た な社会的混乱を引き起こしており,科学技術のあり方を総合的視点で検討することが急務の課題になってきています。このような現代社会の複雑・多岐にわたる 諸問題を解決するには,細分化された学問を総合・融合・俯瞰する「知の総合化」が求められています。そのために,高い専門性だけでなく幅広く学問を俯瞰し た視点を有する教育研究者の養成が不可欠です。

 

地域科学1

 

地域科学とは

地域科学の学問的な意義は,その学際性と総合性にあります。総合科学教育部が標榜する「地域科学」の目的は,その特長をさらに深化発展させ,地域問題のトータルな解決をめざすことです。わが国では今日「地域の再生」が喫緊の政策課題となっていますが,地域格差の是正にせよ,持続可能な社会の形成にせよ,現代の地域社会が直面する諸課題はさまざまな要因が複雑にからみ合って生じています。それゆえ,旧来の地域科学のような経済系か計画系かといった議論では十分対応できず、人文科学・社会科学・自然科学といった伝統的なカテゴリーを乗り越え,諸科学の英知を結集する必要があります。

 

総合科学教育部の目指すもの

総合科学教育部は,Symbiotic 共生的(文理相補的),Synergistic 相乗的(文理相乗的),Symphonic 調和的(文理融合的)な新たな教育・研究のあり方を提案します。持続可能な地域社会を目指して,文化環境・社会環境・自然環境を総合・融合・俯瞰する,環境調和型の地域社会づくりに携わる人材を養成します。環境調和型の地域社会づくりを理論的かつ実践的に担いうる,指導的な教育研究者・実務家を養成します。地方圏に位置する大学としての使命を果たすため,過疎,少子高齢化など固有の地域問題を打開し,地方圏の可能性を十分に発揮する地域再生・地域創生の「地方圏モデル」を全国に発信するとともに,その担い手となる研究者を養成します。総合科学教育部は地域科学の学際性と総合性を最大限に発揮し,地域の諸課題を多面的に調査研究し「地域の再生」に向けた指針を示すとともに,幅広い見識と柔軟な行動力を持つ地域づくりの新たな人材を養成することを目指します。このようにして総合科学教育部は、地域社会という対象を総合科学の方法で解明し,地域に開かれた「知の拠点」を構築することを目指します。

修了後の進路(例)

関連分野の大学教員,地方行政で総合計画の作成などにあたる調査企画担当の専門職・研究員,公共事業の計画調査で環境アセスメントなどを担当する環境行 政の専門職・研究員,環境カウンセラー,民間研究機関やコンサルタント組織の研究員,NPO 専門職員など地域づくりの専門的担い手,自治体リーダーなど。