ナノ構造体の高度な配列制御(グリーンイノベーション・ライフイノベーション)

概要説明

ナノ粒子・ナノワイヤー・ナノシートなどの形を取るナノサイズの高機能材料が注目されているが,その性能を十分に発揮させるためには,高度に制御された配列技術の確立が必要不可欠である。しかしながら,その確立を目指すためには,サイズの揃ったナノ構造体の作製・それらの高度な精製技術の確立・自己組織化技術を駆使した配列制御・それらのデバイス化に不可欠な電極等への固定技術の確立など,多岐に渡った連携が必要不可欠である。本研究グループは,それぞれに関して,必要な技術を持っており,緊密な連携が可能な状況にある。よって,上記メンバーを中心とした研究グループを確立し,重点テーマとしてこの一連の連携技術で,ナノ構造体の高度な配列制御を行う。

 

<担当者>

金崎英二,魚崎泰弘,髙栁俊夫,安澤幹人,鈴木良尚,薮谷智規,倉科昌,吉田健

 

研究テーマ名

    1. 超臨界流体中の構造・反応・ダイナミクス測定
      1-1 概要    

      超臨界流体は,密度ゆらぎが大きく,ナノスケールの流体構造を持つ。超臨界流体中での化学反応は,いわば“ナノ界面”の化学であり,化成品の微粉化やバイオポリマーからの高付加価値化合物および再生可能エネルギーへの転換など数多くの応用展開が期待されている。そのためには,超臨界流体の溶媒としての特性,溶質が溶解した多成分系の相状態やそれらの溶解度などの基礎物性値,さらには極端条件下で起こる新規反応の反応スキームや反応速度論といった知見の確立が求められている。本研究では,超臨界流体として二酸化炭素や水を主として用い,物理化学的見地からの新たな化学プロセス開発を目指している。

       

      1-2 キーワード

      超臨界流体,環境調和型反応,ナノ界面

       

      1-3 担当者  ※下線:研究代表者

      魚崎泰弘,吉田健

       

      1-4 外部資金

      ・科学研究費 基盤研究C 2013年度 採択課題名「超臨界水中の並進・回転に対する伸縮振動の役割の分子動力学計算および高温NMR解析」代表(吉田 健) 代表:吉田 健

       

    2. ナノメータ領域の高度な周期配列構造を持つ構造体の作製とそのデバイス化
      2-1 概要

      ナノメータ領域の周期構造は,光のブラッグ回折を利用したデバイスや,その大きさを利用した分子ふるいとしての利用など,大きな可能性を秘めている。この周期構造の性質を最大限に生かすためには,(1)格子欠陥の少ない大型の単結晶育成技術,および(2)ナノ周期構造を保持しつつデバイス化可能な物理的・化学的に安定な材料へ変換する技術の双方が必要とされる。本研究グループでは,バルク粒子性フォトニック結晶の育成技術の開発,球状タンパク質単結晶を鋳型とするバルクナノ細孔構造体の開発を行う。バルク粒子性フォトニック結晶は,微粒子の自己集積によるコロイド結晶化プロセスを用いて作製する。また,球状タンパク質単結晶を鋳型としたバルクナノ細孔構造体はフェリチンのバルク単結晶を重力沈降・乾燥・塩析法などにより作製し,分離・分析デバイスへ適用する。

       

      2-2 キーワード

      コロイド結晶,規則構造体,光ピンセット効果,遠心沈降法,分離分析化学

       

      2-3 担当者  ※下線:研究代表者

      鈴木良尚薮谷智規,金崎英二,倉科昌

       

      2-4 外部資金
      ・科学研究費 挑戦的萌芽研究 2012年度 採択課題名「タンパク質分子のコロイド結晶化」代表(鈴木良尚) 代表:鈴木良尚
      ・科学研究費 基盤研究C 2014年度 採択課題名「タンパク質結晶の融液様成長」代表(鈴木良尚) 代表:鈴木良尚

       

       

    3. 糖尿病患者への負担を軽減するための血糖値センサーの作製
      3-1 概要

      糖尿病患者は,血糖値を詳細にモニターする必要があるが,従来の血液採取方法では,患者への肉体的・精神的な負担が大きすぎる。本研究では,直径が0.3mm以下といった非常に細い血糖値センサーを作製することを目的としている。ただ細いだけではなく,埋め込んだときに折れない,酵素活性が落ちずに何ヶ月も使えるなどといった,実用に耐えることのできるセンサーを作製している。実際に作製したセンサーをラットの体の中に埋め込んで生体測定をすることなどにより,実用化の可能性を探っている。

       

      3-2 キーワード

      糖尿病,血糖値,酵素活性,生体測定

       

      3-3 担当者  ※下線:研究代表者

      安澤幹人,髙栁俊夫,薮谷智規

       

      3-4 外部資金
      ・科学技術振興機構(研究成果最適展開支援プログラムA-STEP フィージビリティスタディ【FS】ステージ 探索タイプ) 2011年度 採択課題名「糖尿病患者のQOLの向上を目指した超低侵襲パッチ型グルコースセンサの開発」代表(安澤幹人) 代表:安澤幹人
      ・科学研究費 基盤研究C 2012年度 採択課題名「低血糖症の早期発見を目的とした低侵襲パッチ型グルコースセンサの開発」代表(安澤幹人) 代表:安澤幹人

       

       

    4. 金属層状水酸化物のナノシート化と再積層による機能性物質の構築
      4-1 概要

      金属の水酸化物では,2次元的なシート構造が積み重なった層状化合物となるものがある。このシートを1枚ずつに剥離して分子レベルのナノシートを作成し,様々な層状化合物から得られたナノシートを再び積層させて,層の順序を自由に操作した構造の作成を目指す。素材となるナノシートと順序の組み合わせにより,新たな電気的・磁気的な機能が期待できる。

       

      4-2 キーワード

      ナノシート,層状化合物,金属水酸化物,再積層

       

      4-3 担当者  ※下線:研究代表者

      金崎英二,鈴木良尚,薮谷智規,倉科昌

       

    5. ナノサイズ分子集合体を用いる分離法,分析法の開発
      5-1 概要

      ナノサイズの分子集合体である界面活性剤ミセル,ベシクル,マイクロエマルション,高分子ゲルは疎水的環境を有し,その比表面積はバルクの水-疎水性有機溶媒の界面と比較して格段に大きい。この特徴的な疎水環境を用いる抽出分離は有害な有機溶媒を用いずに擬均一系水溶液で発現し,二相の混合が不要,迅速な抽出速度,イオン性物質の抽出選択性等の特長を有する。選択性の高い分離法,高感度な分析法を実現するために,機能性ミセル,マイクロエマルション,疎水性マトリックスの開発を進めている。

       

      5-2 キーワード

      界面活性剤ミセル,マイクロエマルション,疎水性分配,水系溶媒,分離分析

       

      5-3 担当者  ※下線:研究代表者

      髙栁俊夫,魚崎泰弘,薮谷智規,安澤幹人,吉田健

       

      5-4 外部資金
      ・科学研究費 基盤研究C 2010-2012年度 採択課題名「ポリエーテルによる包摂とイオン会合との相乗効果に基づく水系分離分析法の開発」代表(髙栁俊夫) 代表:髙栁俊夫
      ・科学研究費 基盤研究C 2014-2016年度 採択課題名「分離分析を活用する副反応進行下での平衡反応解析法の確立」代表(髙栁俊夫) 代表:髙栁俊夫

       

最終更新日:2015年4月6日