【研究成果報告】数値流体解析によるターボ機械の高性能化と内部流れの解明に関する研究

2017年3月31日

平成28年度 若手研究者学長表彰 研究成果報告

報告者

大学院理工学研究部 機械科学系エネルギーシステム分野 准教授 重光 亨

 

研究タイトル

数値流体解析によるターボ機械の高性能化と内部流れの解明に関する研究

 

研究概要

【研究の背景】

ターボ機械は、回転するローターを通して、流体と機械との間でエネルギー授受を行うエネルギー変換装置であり、インフラやエネルギーに関わる重要な産業基盤であると共に、再生可能エネルギー、航空・宇宙、医療などの先端研究分野にも、広く活用させています。ターボ機械の高性能化を実現するには、回転する羽根周りの流れを的確に把握する必要があり、数値流体解析はその解明に極めて有効です。本研究では、数値流体解析を駆使し、ターボ機械の内部流れを解明し、その高性能化を実現してきました。

 

【研究の内容と成果】

本研究で対象としたターボ機械は小水力、小型風車、ポンプ、ファンなど多岐に渡りますが、ここでは、小水力(小型ハイドロタービン)、ファンに関する研究成果について報告します。

管路式農業用水路や簡易水道などへの設置を想定した非常に小型な水車(図1)は、低効率であることが課題です(直径100mm程度の小水力では効率は50%以下)。そこで、二重反転形羽根車を採用し、数値流体解析による内部流れの調査結果をもとに水車効率64.2%を実現しました。また、羽根車内の圧力分布をもとに、羽根車の回転に伴う圧力変動(図2)についても明らかにし、その安定運転に対する指針を示しました。

送風機(ファン)の高性能化、低騒音化を実現する上で、ファン内部に発生する渦の挙動を把握することは非常に重要です。ここでは、800万格子程度の計算格子(図3)を使用した数値流体解析を実施し、チップクリアランスから発生する翼端漏れ渦の下流への遷移過程(図4)を示し、好適な動翼間距離について明らかにしました。

図1

図2

図2

 

図3

図4

 
今後の展望(研究者からのコメント)

本研究成果は、ターボ機械の高性能化など工業上の有用性や工学への寄与度は高いものと考えられます。これらの研究成果をもとに新しいターボ機械の実用化などを目指していきたいと思います。

学術誌等への掲載状況

重光 亨, 竹島 康東司, 小川 雄也, 楠 丁, 福富 純一郎, “二重反転形小型ハイドロタービンの翼近傍における圧力変動”, ターボ機械, Vol.44, No.7, pp.429-437, 2016年7月.

Toru Shigemitsu, Junichiro Fukutomi, Masaaki Toyohara, “Performance and Flow Condition of Cross-Flow Wind Turbine with a Symmetrical Casing Having Side Boards”, International Journal of Fluid Machinery and Systems, Vol.9, No.2, pp.169-174, June 2016.