疾患ゲノム研究センターの高浜洋介教授と新田剛特任講師らが、からだをまもるキラーT細胞の産生機構を発見しました。

2010年1月12日

徳島大学疾患ゲノム研究センターの高浜洋介教授と新田剛特任講師らは、ウイルス感染やガンからからだをまもるキラーT細胞の生成機構に新たな分子機構を発見しました。

 

リンパ器官の一つである胸腺のなかには皮質とよばれる領域があります。胸腺皮質にキラーT細胞を産生する役割があることは知られていました。しか し、胸腺皮質がどのようにして「からだをまもる」能力をもつ有用なキラーT細胞を産生するのかこれまで大きな謎でした。本研究では、胸腺皮質上皮細胞に特 異的に発現される蛋白質分解酵素複合体(胸腺プロテアソーム)の欠損マウスにおけるキラーT細胞生成機構の解析により、ウイルス感染など外来抗原からから だをまもる有用なキラーT細胞の産生には胸腺皮質上皮細胞に特異的に発現される胸腺プロテアソームが必要であることを明らかにしました。

胸腺は、生体防御応答に不可欠のT細胞を生成する臓器です。本研究で得られた成果をもとに、T細胞を人工的に再生させたり、有用なキラーT細胞を回復ま たは強化させたりする研究へと展開していくことで、ウイルス感染やガンに対する画期的治療法の開発がもたらされる可能性が期待されます。

この研究は、東京都臨床医学総合研究所、東京大学、慶應義塾大学などとの共同にて、文部科学省科学研究費補助金などの支援を得て実施されました。この論 文は米国発行科学誌「イミュニティ(Immunity)」の1月号に掲載予定で、それに先立って12月31日付けで電子掲載されています。

 

著者:Takeshi Nitta, Shigeo Murata, Katsuhiro Sasaki, Hideki Fujii, Adiratna Mat Ripen, Naozumi Ishimaru, Shigeo Koyasu, Keiji Tanaka, Yousuke Takahama

 

題目:Thymoproteasome shapes immunocompetent repertoire of CD8+ T cells.

 

米国発行科学誌「イミュニティ(Immunity)」のホームページはこちら

http://www.cell.com/immunity/home

http://www.cell.com/immunity/abstract/S1074-7613(09)00543-3

 

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