研究室紹介

生理学は近代科学の一分野として誕生し、正常な生体の機能とその背景にある論理性を追求する学問として発展してきた。しかし、近年の医学研究の進歩により病的な状態の分子的動態が明らかになるにつれて、生理的状態と病的状態は連続性の中にあると捉えられるようになり、病態生理学も含めた生理学へと移行しつつある。顎口腔領域には多種の感覚・運動神経が集中し、消化器官、コミュニケーションの手段として重要な機能を担っている。それゆえ、顎口腔の異常は他の部位に病的状態を引き起こし、また他の部位の異常が顎口腔に病的状態を引き起こすこともあり、出現する症状が多岐にわたると考えられる。当研究室では、従来、分子生物学的手法を用いた唾液腺研究が盛んにおこなわれてきた。これらの研究に加えて、神経生理学的手法を取り入れ、口腔機能を制御している脳領域を対象とした研究もおこなっている。正常機能のみならず、さまざまな顎口腔関連疾患も視野に入れて、将来疾患の診断や治療法開発につながるように、生理学という学問的基盤に立脚した研究を遂行している。