研究室紹介

  大学の社会貢献が強く求められている中、我々の研究室では産学連携共同研究を積極的に推進して生産的知的財産を増やし、実用的な資源を積極的に社会に提供したいと考えている。MRIやCTを用いた顎関節三次元構築システムならびに顎関節症の診断支援機器の開発事業(2008年度経済産業省 地域イノベーション創出研究開発事業に採択)や、企業(伊藤超短波株式会社他)との共同研究として生体組織の修復・再生を目指した非侵襲的、安全・安心な医療技術の開発研究を進めている。具体的には矯正治療中に生じる歯根吸収の抑制、顎骨骨折や骨移植後の骨治癒促進に対する低出力超音波照射の有効性の検討、筋形成抑制遺伝子マイオスタチンを標的としたRNA干渉法による筋ジストロフィーの根治療法の開発などを実施している。最近では骨粗鬆症性骨折に対する副甲状腺ホルモン(PTH)ならびに低出力超音波の併用療法の骨治癒促進効果の検討を企業との共同研究として開始している。その他、矯正歯科臨床に直接応用可能な研究として、最適形状を有する歯科矯正用アンカースクリューの開発(特開2014-180366)、顎変形症の顎矯正手術後の顔貌予測システムの開発(特願2013-047559)も併行して進めている。以上のように、研究成果が臨床に応用可能な研究(translational research)に焦点をあて、現在の医療、歯科医療に対するニーズに応え、また新しいシーズを発掘できるような即戦力の臨床研究を産学連携で推進している。
 

  臨床については、通常の矯正歯科治療はもとより、最新の矯正治療技術、たとえばインプラント固定を用いた矯正治療や表から装置が見えにくい審美的な矯正治療などに必要な技術を、up-to-dateで修得できるような卒後教育を実施している。大学附属病院は教育・研究病院、地域中核病院としての使命を担っていることから、高度先進医療を提供できる地域密着型の病院としての機能を確立することによって、他の医療機関と連携し、共存共栄を目指すことが必要不可欠と考える。矯正専門開業医や一般歯科医では治療困難な難症例や他の診療科との密な連携が必要な症例に対する治療を積極的に実施することにより、大学附属病院が地域の中核的存在となり、最終病院としての役割を果たせるように努力している。