全学共通教育科目

※大学入門科目群

大学入門講座

本講座は、大学での学びを確かなものにするために、高校までとは異なって「教わる授業から自ら学ぶ授業」という学習の姿勢や方法を身につけられるよう構成 されている。各講義はそのテーマに応じて適切な授業方法で行われる。大学では一般に講義形式の授業が主になるが、本講座では講義を聞き、その主題について ノートをとり、グループで討論をし、その経過・まとめを口頭で報告したり文章でレポートすることなどの学習方法も取り入れて実践される。それらを通じて、 「自ら学ぶ」姿勢を身につける準備をして、今日、大学生が社会から求められている「知的技法」の一端を身に付けることを目指す。
 

※教養科目群

歴史と文化

外国史、外国文学、芸術、考古学、日本文学、文化人類学などさまざまなテーマで歴史と文化を学び、そのなかで一人ひとりが問題を発見し、知恵と情報を総動員し、新しい自分自身の解を見出す訓練を通じて、自らを創成することを目的とする。

人間と生命

「心の科学」、「心理学概説」、「青少年と教育」、「心理学概論」、「心理学初歩」などの一般心理学として「知覚」「発達」「学習」「動機づけ」につい て、それらの基礎的なトピックスを紹介したり、「知覚心理学」「学習心理学」「感情心理学」「社会心理学」「発達心理学」「臨床心理学」などの心理学領域 から、人間の心理や行動の基礎にある原理について、日常生活の身近な問題と関連させながら概説する。

生活と社会

法律学、経済学、政治学、社会学などさまざまな観点から現代社会の問題点を抽出し理解を深める。またマス・メディアは民主的な政治制度においては不可欠で あるが、他方、プライバシーの問題をはじめ多くの批判もある。こうした政治とメディアの問題についても基本的な知識を得て、現代社会における実態、功罪な どを考えていく。

自然と技術

「相対論入門」、「現代物理学の世界」など11科目から選択する。物理学は現代の科学技術を支える大きな柱である。この物理学の中で巨視的な現象を扱う分 野から現代物理学の中核をなす量子論・相対論の基本的な構成までを概観する。物理学の基礎を修得し、複雑な自然現象を理想化して普遍的な法則を導き出す物 理的な考え方、専門分野への応用について教授する。

※基盤形成科目群

基盤英語

英語の基礎を学力をつけるためTOEICテストの総合演習を通じて、4技能を習得させる。TOEICが測定しようとする標準的な英語を習得出来るようなコミュニケーション能力を総合的に学習する。

主題別英語

英語の基礎を固めるとともに、読解力ならばある程度自信を持つ学生を対象にし、聴いて理解し、自分の意見を英語で表現する実践力を養成することを目的とす る。アメリカの風土と文化を紹介するリスニング教材を用いる。口頭による各種練習問題を通して内容理解を深めていく。耳と映像だけを頼りにビデオの内容を 理解し、日常のありふれた事柄を簡単な英語で表現できるように教授する。

発信型英語

大学において自分自身の専門性を高めるには英語を通して情報を得る技能が必要とされる。それは実社会に出ても今後確実に求められていく技能である。そのた めにも、日頃から英語の文章に触れ、敏速かつ的確に情報を得る技能を身につけることが重要である。本授業ではそのような情報獲得技能の基礎として、受講生 の英文速読力を高めることを目的とする。また色々なジャンルの英語に触れることを目的に、講義、演説、ニュース、日常会話の4つのジャンルに絞り、聞き取 りをする。

ドイツ語

初級文法を習得しながら、簡単なドイツ語を読み、書き、聞き、話すことができるようになること、また、ドイツ語圏の文化や社会についての知識を深めるこ と、さらにはドイツ語の会話を通して、ドイツ語圏の文化と人々についての理解を深めるドイツ語を学ぶことによって、異文化理解を深め、国際的感覚を身に付 けることを目的とする。

フランス語

フランス語は、フランスの他、ベルギー、スイス、カナダ、カリブ海諸島、アフリカなど、世界の多くの地域で話されている。また、言語としてはスペイン語や イタリア語と近い関係にある。この授業では、フランス語の総合的コミュニケーション能力の基礎を身につけることを目指す。

中国語

隣国の言語である中国語を総合的に学ぶことを目的とする。具体的には、主にネイティヴの講師の指導により正しい発音や生きた会話表現を学ぶと共に、主に日 本人の教官の指導により中国語文法を習得することを目指す。中国は世界の四分の一もの人口を占めており、中国語を学ぶことにより視野を広げ、国際人となる 基礎となる。

情報科学

コンピュータやネットワークが普及するにつれ、コンピュータを使う能力「コンピュータリテラシー」が注目されるようになった。また、情報化社会では情報を 上手に扱うための能力「情報リテラシー」が必要となっている。本授業では、コンピュータリテラシーと共に情報リテラシーの習得を目的とする。IT(情報技 術)の基礎及び関連知識を講義し、コンピュータの実習を行う。現代社会において必須の情報技術であるネットワーク・パーソナルコンピュータの基礎的な利用 応用技術を身につける。

  1. パソコンと Windows XP の基礎
  2. ワープロソフト Word 利用法
  3. インターネットの基礎(wwwブラウザ利用法)
  4. インターネットの基礎(電子メール利用法)
  5. インターネット利用許可試験
  6. プレゼンテーションソフト Power Point 利用法
  7. プレゼンテーション発表会
  8. 表計算ソフト Excel 利用法

ウェルネス総合演習

現代社会における社会問題が複雑化するとともに、健康問題は単なる生物学的な発想を越えた社会生活と密接に関わるようになってきた。この演習では、健康問 題を「心と身体」、「個人と社会」におけるそれぞれの相互作用の統合的視点の重要性を理解することを目的としながら、システム科学からみた心身の健康問題 を学習する。理論としては、システム理論の基本を踏まえ、運動・動作・行為の階層性、および感覚・知覚・認知の階層性や、これらをあわせた行動の階層的シ ステムについて学習する。さらに現実の生活における心理的要因と身体的要因が影響しあうメカニズムの学説を紹介しながら、現代社会における具体的な心身の 健康問題について、健康の「全体性」と「ホロン」という考え方から考察していく。

医療情報処理学

近年、医療分野では、病院情報システム、地域医療情報システムなど様々なコンピュータシステムが導入されており、医療技術者はコンピュータについての高度 な知識が要求されている。本授業では、コンピュータの基礎的知識(ハードウェア-、ソフトウェア-、コンピュータネットワークなど)について講義し、さら に医療分野への応用(病院情報システムの開発、医療画像処理など)について概説する。また電子カルテとそれに伴うセキュリティーとプライバシー、医療支援 あるいはデータ処理などについても教授する。
 

専門教育科目
 

※口腔保健基礎学

解剖学・生理学・生化学

解剖学総論、骨格系、筋系、内臓系、脈管系、神経系、感覚器系に分け、人体の大要とそれらの構造について学習する。解剖学は医療に携わる者にとっ て、まず習得すべき学問であり、本講座では全身の解剖学的知識を教授し、それを口腔と密接に連携させることで全人的医療の実践を図る。また細胞の基本構造 を理解し、内分泌ホルモンの産生臓器、生理作用、機能亢進と機能不全、分泌調製、輸送と代謝などを教授する。またニューロンの働きや筋収縮、生理現象を貫 く原理も教授する。さらに生化学においては生体の営みを分子のレベルで理解するために、高次生体構造とその機能、人体諸臓器の発生・分化・加齢の仕組みお よびそれに伴う変化や異常による病態、口腔内構造物の発生・分化・機能について教授する。

口腔解剖学・口腔生理学

口腔保健医療者として必要な顎顔面口腔領域の局所解剖学的知識を頭頸部の部位毎に学習するとともに頭頸部の骨格系や筋系および神経系や内臓系の個体 発生を総括的に学習する。さらに歯の形態と構造を理解し、固有の歯種の判別ができ、歯の形態を理解し臨床に役立つ知識を習得させることを目標とする。また 生命の機能維持に重要な役割を果たす口腔領域諸器官の生理機能についての知識を習得させる。口腔保健医療に必要な口腔機能に関して、その果たす役割を理解 し、摂食行動、咀嚼運動、嚥下機構などの基礎知識も習得させる。

病理学・口腔病理学

病理学総論として顎口腔領域の疾患を正常からの逸脱として臓器、組織、細胞、物質レベルで理解し、構造と機能の両面から学習する。すなわち歯周炎を 中心とした歯周組織の疾患や、口腔粘膜、顎骨、唾液腺など口腔顎顔面の諸組織に生じる病変など専門領域である口腔の病変について解説する。口腔の疾患に対 する治療や予防を考える上で必要不可欠な病理学的背景を理解し、歯や歯周組織の疾患を始め口腔顎顔面領域の様々な疾患を予防する上での基礎知識を教授す る。

薬理学・歯科薬理学

薬物および生理活性物質の作用の基本的メカニズムを理解し、疾患の治療や予防に適する薬物を選択する能力を身につけることを目的として、薬物と生体 の相互作用の結果起こる現象や作用機序について個体レベル、細胞レベル、分子レベルで学び、EBMを行うための基礎知識を習得させることを目標とする。歯 科薬理学においては、歯科医学領域に直接的に関連する薬物について、薬剤の名称、性状、薬理作用、作用機序、臨床応用、生体内動態、副作用、毒性、処方等 についての知織を教授する。

微生物学・免疫学

口腔領域および全身の感染症の病態、原因となる微生物、治療法および予防法を学ぶことにより、感染症の基本的な知識、理論を身につけることを目的と する。すなわち細菌、真菌、原虫およびウイルスの構造、増殖、生理、病原性について教授し、その診断法、治療法、予防法に関する基本的な理論を身につけ る。また免疫学の基礎、免疫システムの意義、自然免疫と獲得免疫、アレルギーなどの総論を講義し、さらに各論として歯周病を始めとする感染症、腫瘍、自己 免疫疾患やその他の口腔疾病における免疫の関わりについての理解を深める。

口腔保健衛生学概論

国民のQOL(生活・人生の質)向上のために、口腔の健康を保持増進することの重要性を認識することを目的とする。またう蝕や歯周疾患を中心とした 口腔疾患の病因、病態を理解し、その予防法について学習する。さらに歯科保健活動について具体的に学習し、その対象にとって望ましい生活環境づくりを支援 するために必要な知識を得て、活用できる人材を育成する。

歯科衛生士概論

歯科衛生士の歴史、法律的性格と業務内容の要点、さらに口腔保健医療に携わる様々な職種を理解させる。また、歯科衛生士としての心構えやその業務の展開についても講義を行い、さらに口腔保健医療を実践する上で不可欠な歯科医療倫理について、実例を挙げながら講義する。

歯科衛生統計

歯科衛生統計を日常臨床や公衆衛生の場で役立てられるよう、その基本的解説から手順、情報の収集、結果の分析法の実際、歯科疾患の疫学的特徴や評価 法について講義を行う。また疫学データにおいて利用頻度の高いノンパラメトリック法に関する解説を加え、さらに歯科に関連のある国家統計調査や国際統計な どについても教授する。

衛生行政

医療法、歯科衛生士法、歯科医師法、歯科技工士法など関係ある法律の意義を解説し、法律に定義された専門職としての役割について教授する。特に衛生行政では地域保健の考え方、国および地方公共団体の責任におけるサービスの意義とその具体的な内容について教授する。

衛生学・公衆衛生学

文化、教育、生活習慣など人間の健康に関する問題と様々な生活環境因子との相互関係について教授する。特に公衆衛生学として、予防医学の概念、人口 問題、感染症、食品と健康などについて講義を行い、その後、地域保健、母子保健、学校保健、成人保健ついての講義を行う。また環境汚染、ゴミ・廃棄物、水 処理問題など生活環境の安全などについても教授する。

口腔衛生学

口腔の健康を保持増進させる理論と方法を理解し、口腔の健康像および2大疾患であるう蝕と歯周病を始め、不正咬合、顎関節症、腫瘍など様々な口腔疾 患の概要とその予防法について講義する。さらにこれらの知識や技術を生かして個人から集団を対象としたレベルでの口腔健康管理が社会の中でどのように展開 されているかについての講義を行う。

口腔衛生学基礎実習

口腔衛生学の授業で修得した内容についての実習を行い理解を深めることを目的とする。すなわち、各種疾患の予防における口腔清掃や薬物応用の手段や 術式、安全性、患者との接し方などについての実習を行う。また歯ブラシ工場見学も実施する。これらの実習によって、口腔保健医療者として必要な口腔衛生に 関する知識・技術のみならず問題解決に必要な態度と能力を身につける。

医療安全管理学

医療従事者の個人レベルでの感染事故防止対策の観点から、感染の成り立ち、感染症の種類について理解するとともに、標準予防策に関する知識と技術を 習得する。一方、医療施設全体の組織的な事故防止対策として、院内で起こりうる医療事故の原因、種類、対処法を理解し、患者が安心して医療を受けられる環 境を整えるための必要な知識と技術について教授する。

早期臨床実習

早期臨床実習は口腔保健学科に入学して間もない学生を対象に早期に口腔保健医療従事者としての自覚や倫理観もたせ、実際の歯科医療現場を見学することに よってこれから学ぶ口腔保健学に対する学習意欲を向上させることを目的とする。すなわち少人数のグループに分かれて大学病院歯科診療部門の各診療科を見学 し、歯科臨床の概要を把握する。

※口腔保健支援学

発達系歯科学

胎児期から成人前までの全身及び口腔の正常像、疾病とその予防・治療法について理解させることを目的とする。小児歯科学と矯正歯科学で構成され、胎 児期から成人前までの口腔疾患とその予防、治療及び口腔の健康管理、顎骨、歯列及び咬合の成長発育、不正咬合の診断と治療法に関する講義を行う。発達期に おける歯科的な知識を全身との関連の基に理解することで、口腔保健教育を行う上での基礎的知識を習得することも目標の一つとする。

保存修復系歯科学

口腔保健医療者として必要な保存修復処置についての知識を教授する。う蝕や硬組織疾患の原因と多種多様な修復技法や修復材料の基礎的・臨床的知識の 理解を深める。また歯内療法や歯周療法についてもそれぞれの疾患についてその原因や病態、治療法、使用される機材や薬物について理解させ、歯科医療スタッ フとしての役割を十分理解したうえで、円滑なチーム歯科医療が実践できるよう教授する。

補綴系歯科学

歯の欠損によって生じる機能障害、審美障害とこれらの欠損に対する修復再建の理論を教授する。すなわち歯冠補綴物、架工義歯、有床義歯さらには歯科 用インプラントの術式の概要、使用する器具、材料の紹介と補綴診療時の補助・介助について講義を行う。最新の歯科材料の紹介と使用法の示説も行い、将来 チーム医療を行う上で必要な補綴診療時における歯科衛生士の役割について習得させる。

外科系歯科学

口腔・顎顔面領域に発症した各種疾病の病因・病態と治療法について教授する。ここでは単に各疾患を理解するだけでなく、全身疾患との関わりという観 点からの学習を重視し、全身疾患を有する患者を扱うためのコ・デンタルスタッフの役割を理解させ、口腔外科処置の基本手技を理解したうえで、円滑なチーム 歯科医療を行える能力を習得する。また顎関節疾患、外傷、再建外科、生体材料についても最近のトピックスをふまえて教授する。

歯科放射線学

口腔保健医療者として必要な放射線とその管理ならびにフィルムの現像等の診療補助、基礎的な読影法について教授する。すなわち放射線生物学として放 射線の細胞への影響や被爆による疾患、遺伝学的影響を講義し、さらに歯科放射線学として各種の撮影法の原理、機材や現像法、放射線の防御、管理などの歯科 診療補助者として必要な知識を実践的に教授する。

歯科麻酔学・救急蘇生

歯科衛生士として必要な麻酔学、特に歯科診療で多用される局所麻酔法、麻酔鎮静法について教授する。また障害者歯科においては全身麻酔下での歯科治 療も行われることから、全身麻酔法における基礎的知識およびその介助法について教授する。さらに救急蘇生では歯科医療で使用される麻酔について、その方法 使用される薬剤や器具、適応と禁忌、ショック、緊急時の救急蘇生法(ICLS等)、AEDの使用法について教授する。

歯科材料学

各種歯科用材料の材料学的特性や取り扱い方、管理方法、歯科用器械・器具の取り扱い方や生体への影響について講義する。特に歯科診療補助者として必 要な基礎的知識を実際の治療をふまえて教授し、円滑なチーム歯科医療を行える能力を身に付ける。さらに生体材料等の最新の研究動向についても紹介する。

歯科診療補助論

歯科医師が診療を行なう際、正確で迅速な作業ができる補助者として、また患者に対しての直接対面行為をおこなう術者として歯科衛生士は、多岐にわた る歯科診療の内容に精通しておく必要がある。歯科診療補助論では、歯科材料や診療機器の取扱方法、診療共同動作等を理解した上で、基礎知識を駆使し、診療 を行うための技術を習得する。

チーム歯科医療学

口腔保健医療者として必要なチーム歯科医療の概念と理論を教授し、関係する各職種の業務内容や法的な規制を個別に講義する。様々な職場において歯科 医療の流れと各職種の役割、相互の連携及びチーム歯科医療の効果を教授する。これによって職種間相互の理解と医療の円滑化を図り、医療の効率化・高度化と 患者サービスの向上をめざす口腔保健医療者を育成する。

チーム歯科医療学基礎実習

チーム歯科医療学の講義の内容を踏まえながら、歯科衛生士、口腔保健医療者として必要な技術について学ぶ。本実習は歯科衛生士としての歯科診療補助を中心としての演習を行い、ロールプレイやシュミレーションによって実際の医療現場を想定した学習を行う

高齢者口腔保健衛生学

老化のメカニズムを理解し、高齢者の心理、全身状態、口腔領域の諸変化や老人性疾患の知識を教授し、必要な口腔ケア、生活援助などについて実践するために必要とされる知識と技術を教授する。

高齢者口腔保健衛生学臨地実習

専門職種の在宅高齢者訪問に同行し、介護の実際について体験させる。訪問時の注意事項、観察の要点、持参物品、使用済み器材の処理をはじめ、特に、 口腔ケアについてその必要性を理解し、具体的な方法を修得させる。また高齢者在宅サービスセンター、デイケアセンター、老人ホームなどにおける実習を通し て、高齢者に対する精神的なケア、生活動作の援助の仕方、コミュニケーションのとり方に関する実際を教授する。

障害者口腔保健衛生学

心身障害とは何かを理解するために、障害の種類、全身状態、行動の特性、口腔内の状態などに関する知識を与え、その人に必要な歯科的援助をするための技能を教授する。

障害者口腔保健衛生学臨地実習

障害者施設、作業所などにおいて、障害者の現状を理解するとともに、口腔の健康のために、必要な援助について教授する。

嚥下・摂食障害学

高齢化、障害、疾病などにより口腔機能に支障を来した患者において口腔リハビリテーションは必要不可欠である。この授業では、口腔リハビリテーショ ンに必要な解剖や検査法、評価方法などの基本的な知識を教授する。さらに頬、口腔粘膜などのマッサージ、口腔に関連した機能訓練(唾液分泌促進、舌の機能 訓練など)、食品性状に対する配慮などを理解させ、口腔機能回復を援助するステップを教授する。

栄養学・栄養食品学

食品成分の体内での代謝過程と健康維持に必要な栄養素について教授する。また、人々の食生活の現状とその問題点を把握し、それらの改善策を考察さ せ、健康維持のためのよりよい食生活のあり方、食環境の整え方を理解させる。また、歯垢、歯石の形成と性質など、歯科疾患予防と関連の深い項目についても 教授する。

口腔疾患予防学

顎・口腔や歯の疾患の種類とその原因を理解させたうえ、予防可能な疾患について、予防の理論と実際について教授する。具体的には、フッ化物の応用、 バイオフィルムの理解、微生物学的視点、セルフケアと専門的ケアの違い、機能的ケアと器質的ケアの違いなどを理解させ、科学的アプローチができる能力を養 う。

口腔疾患予防学実習

歯や口腔に発生する疾患予防について、その方法を理解させるとともに、術式、必要器材、方法などについて、実習を通して教授する。各種検査法につい ても実習し、結果の読み方、利用の仕方について教授する。さらに、ポケットの形態・歯面の形態を把握する方法を身につけて、歯石除去・ルートプレーニング の訓練を行う。

※口腔保健福祉学

コミュニケーション論

良好な人間関係を構築するためのコミュニケーションについて理解を深める。特に、患者本位の医療を実践するため、また、医療現場において医療スタッ フと効果的に業務をすすめるためののコミュニケーションに必要な理論と技術を、講義、スモールグループディスカッション、シミュレーションなどを通して習 得する。

社会調査の基礎

社会調査の意義と目的、方法の概要について教授する。また様々な統計法の概要、社会調査の倫理や個人情報保護について理解を深めるとともに質的および量的調査の方法、さらには社会調査におけるITの活用方法も教授する。

現代社会と福祉

現代社会における福祉制度の意義や理念、福祉政策などについて教授するとともに福祉の原理をめぐる理論と哲学について学ぶ。また福祉制度の発達過程を学ぶとともに福祉政策の課題構成要素、関連政策との関連、ニーズと資源などを理解させる。

相談援助の基盤と専門職

社会福祉の役割(総合的かつ包括的な援助及び地域福祉の基盤整備と開発を含む。)と意義、精神保護福祉士役割と意義について教授し、相談援助の概念 と範囲、理念、権利擁護、相談援助に係る専門職の範囲などを理解させる。さらに総合的かつ包括的な援助と他職種連携(チームアプローチ)の意義および専門 職倫理の概念を教授する。

相談援助の理論と方法

相談援助における人と環境との交互作用に関する理論について教授する。また相談援助の対象と様々な実践モデルとアプローチを紹介し、そのなかで援助 技術の過程とそれに係る知識と技術(介護保険法による介護予防サービス計画、居宅サービス計画や施設サービス計画及び障害者自立支援法によるサービス利用 計画など)を理解する。さらには相談援助における事例分析の意義や方法を教授し、その実際を理解させる。

地域福祉の理論と方法

地域福祉の基本的考え方(人権尊重、権利擁護、自立支援、地域生活支援、地域移行、社会的包摂等を含む)について教授する。また地域福祉の主体と対 象、地域福祉に係る組織、団体および専門職の役割と実際について理解させるとともに、地域福祉の推進方法(ネットワーキング、社会資源の活用・調整・開 発・福祉ニーズの把握方法、地域トータルケアシステムの構築方法、サービスの評価方法など)を教授する。

福祉行財政と福祉計画

福祉の行財政の実施体制(国・都道府県・市町村の役割、国と地方の関係、財源、組織及び団体、専門職の役割を含む)を教授する。また福祉行財政の実際と動向を教授したうえで、福祉計画の意義、目的、主体と方法あるいは福祉計画の実際を理解させる。

歯科口腔介護学

歯科的援助をする際に必要となる口腔介護に関する知識と技術を習得させる。特に、介護予防重視から設けられた「口腔機能の向上」について口腔機能評 価・サービス計画の立案、口腔清掃解除および摂食機能向上支援の実際について学ぶ。また、全身状態、服用薬剤などについて理解できるような基礎的知識を教 授する。

社会保障

現代社会における社会保障制度の課題(少子高齢化と社会保障制度の関係など)を理解させた後に社会保障の概念や対象及びその理念を教授する。また社 会保障の財源と費用、公的保険制度と民間保険制度の関係、社会保障制度の体系について学ばせる。さらには医療保険、年金保険について熟知させ、諸外国にお ける社会保障制度についても教授する。

高齢者福祉

高齢者の生活実態とこれを取り巻く社会情勢、福祉・介護需要(高齢者虐待や地域移行、就労の実態を含む。)や高齢者福祉制度の発達過程を教授する。 そのうえで介護の概念や対象、介護予防、介護過程、認知症や終末期ケアに関する基本的考え方を理解させ、さらに相談援助に必要な介護保険制度(介護保険 法、地域包括支援センター等)や高齢者福祉・介護に係る他の法制度についても学ばせる。

障害者福祉

障害の概念と障害者の実態、障害者福祉の理念と意義および障害者福祉の社会的背景について理解させる。さらに、障害者の福祉需要の把握方法、障害者 福祉に関する法律とサービス体系、および障害者に対する相談援助活動について教授する。障害者福祉および関連分野の専門職、ならびに専門職間の連携の在り 方についても理解させる。

児童・家庭福祉

児童・家庭の生活実態とこれを取り巻く社会情勢、福祉需要(子育て、一人親家庭、児童虐待および家庭内暴力、地域における子育て支援、青少年育成の 実態を含む。)を教授し、児童・家庭福祉制度の発展過程を理解させる。また児童の権利を理解させたうえで児童・家庭福祉に関する法(児童福祉法、児童虐待 の防止等に関する法律、母子保健法、児童手当法、児童扶養手当法、少子化社会対策基本法、売春防止法等)と児童相談所の役割について教授する。

公的扶助

低所得階層の生活実態とこれを取り巻く社会情勢、福祉需要について教授する。また相談援助活動において必要となる生活保護制度やそれに係る他の法制度、他職種連携、福祉事務所の役割、自立支援プログラムの意義、低所得者やホームレスの対策について理解させる。

保健医療サービス

相談援助活動において必要となる医療保険制度(診療報酬等)や保健医療サービスさらにはそれらの専門職の役割と連携について教授する。特に医療ソー シャルワーカー、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士の役割について理解させ、加えて医師、保健師、看護師等との連携あるいは地域の社会資源との連携につ いて詳細に教授する。

就労支援サービス

相談援助活動において必要となる各種の就労支援制度とそれに係る組織、団体(ハローワーク、職業リハビリテーション機関、障害福祉サービス事業所 等)および専門職についてその役割と実際を教授する。また就労支援分野におけるハローワークや障害者雇用施策との連携についても理解させる。

相談援助演習

社会福祉援助技術に関する講義および現場実習と関連させながら、具体的な 事例や援助場面を想定した実技指導(ロールプレーイング等)を中心とする演習形態のなかで、個別指導、集団指導を通して精度を高めながら、社会福祉の専門 援助技術を習得させる。また、演習のなかで、具体的に人権尊重、権利擁護、自立支援および在宅での生活支援について理解を深めるとともに、実践力を養成す る。

相談援助実習指導

社会福祉援助技術の現場実習を通じて学んだ知識、技術等を具体的かつ実際的に理解し、実践的な技術等を体得できるよう指導する。福祉に関する相談援 助の専門職としての自覚を促し、専門職として必要とされる資質、技能、倫理、課題把握など総合的に対応できる能力を習得できるよう指導する。

相談援助実習

現場体験を通して社会福祉専門職として仕事をするうえで必要な専門知識、専門援助技術および関連知識の理解を深めさせる。またこれらの知識を実際に 活用し、相談援助義務に必要となる資質・能力を育成するとともに、社会福祉援助技術を習得させる。さらに関連分野専門職との連携のあり方を把握させ、具体 的な援助活動を体系立てていくことができる能力を養成する。

※隣接医科学

総合医科学(人体の構造と機能及び疾患)

患者の全身状態を把握しながらの歯科医療を行う上で必要な臨床医学を総合的に習得する。特に内科学では、成人病等の発症機序や治療法を解説し、さら に口腔との関連や歯科治療を行う上での注意点などを講義する。また、外科学では、様々な外傷や外科的治療法、手術についての概説を行い、一般的な外傷の処 置法について教授する。また小児科、精神科、婦人科領域についても口腔疾患との関連をふまえて教授する。

医療倫理学

医療倫理学の基礎、関係法規、歯科医療の果たすべき役割、インフォームドコンセント、宗教と生命観、臨床実習と医療倫理を講義し、終末期医療、安楽 死、医療過誤等の問題や、遺伝子治療、臓器移植など先端医学研究の倫理医療の倫理を問う諸問題を具体的な事例を挙げて解説する。この講義を通じて、患者の 権利や医学研究における倫理の重要性を理解し、患者中心の医療が実践できるよう指導する。

臨床心理学

近年、「心療内科」・「口腔心療科」に注目が集まっている。心の問題やストレスから口腔の問題を持つ患者が増えていると思われる。本講義では心の問 題を扱う臨床心理学の理論と実際の基礎を概説する。具体的には臨床心理学の対象・技法を概観したのち、効果が実証された技法である行動療法、認知療法、認 知行動療法の理論と実際の基礎を概説する。

基礎看護学

基礎看護についての基本的な考え方と基礎知識、看護過程、救急看護、院内感染防止対策等を講義し、看護の概要を理解し、安全安楽な支援の必要性につ いて基本的な考え方と方法を理解させる。その中で、成人期に関する保健医療福祉、生活習慣病と文化、危機マネージメント、看護とケア、家族への支援、ター ミナルケアやグループワークなどについて具体的に説明し、理解を深める。

口腔保健衛生学臨床実習

保存系、補綴系、口腔外科系の各講義で学んだ知識、チーム歯科医療学で学んだ他のスタッフとの連携、記録と報告、管理運営の実務等について実際の臨 床の場で確認するとともに患者の個別性に応じた技術や指導を習得し、実習課程のなかで判断能力、応用能力、思考力、問題解決能力を養う。実習は大学病院歯 科診療部門の各診療科で行われる臨床実習と外部の施設で行われる臨地実習に分かれ、専門知識の充実を図る。

歯科口腔介護臨地実習

老人保健施設や老人福祉施設などを訪問し、要介護高齢者の口腔衛生、咀嚼機能等の状態を把握して口腔介護援助の在り方について理解させるとともに、 介護予防として実践されている口腔機能向上(口腔清掃の自立支援・摂食機能向上支援)について、口腔機能評価・サービス計画の立案を含め、理解を深めるよ う指導する。さらに、地域包括支援センターなどで計画された、口腔介護予防に関する地域支援事業へも参加し、高齢者の食べる楽しみを支援する健康教室など を体験する。

卒業研究

各指導教員の下、口腔保健に関する研究課題をとりあげ、研究の計画立案、研究の遂行、資料収集、結果の分析を行い、知見をまとめて発表した後に論文 にまとめる体験させる。これによって口腔保健学を創造的・科学的に探求する手法を学ばせ、研究的態度や論理的思考法を習得させる。

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