口腔からQOL向上を目指す連携研究事業セミナー

演題:    摂食・嚥下障害の評価と訓練の実際

講師:    戸原玄先生

日時:    平成21年1月27日火曜日

17時30分~19時30分(質疑応答を含む)

場所:    大講義室(4F)

担当教授:    中野雅徳・市川哲雄


本セミナーは大学院特別講義を兼ねています。

 

講師紹介

戸原玄先生

日本大学歯学部摂食機能療法学講座 准教授

前東京医科歯科大学歯学部付属病院摂食リハビリテーション外来 外来医長

 

講演要旨

“老人の友”と呼ばれる肺炎を直接引き起こす摂食・嚥下障害は外部からの観察が難しく、その状態を正確に把握するためには精査が必要である。しかし、全ての患者に対して検査環境が整っているとは言いがたいのが現状であり、特に通院できない患者への対応を困難にしている。更に既に飽和した状態にある高齢者医療の現状に加え、多くの要介護高齢者が在宅へ移行するため、今後は病院内だけではなく訪問診療場面での摂食・嚥下障害への対応が重要視される。摂食・嚥下障害への対応を考えたとき、訓練的な対応に目が行きやすいが、実際には患者自身の摂食・嚥下機能にあった栄養摂取方法をとられていないことや、また食事をする道具としての歯が未治療のままであることなどの摂食環境の不備を原因として誤嚥が引き起こされている場合が多い。

摂食・嚥下機能の性差には、嚥下造影および内視鏡検査があげられ、いずれも誤嚥の検出能力には差がないとされている。特に在宅や施設における摂食・嚥下機能の精査には、その portabilityから内視鏡検査が有用で、摂食・嚥下機能と栄養摂取方法の乖離を防ぐのに大きく役立つ。また、摂食・嚥下障害への対応には、チームアプローチが不可欠となるが、ここではtrans-disciplinary team approach の概念が重要である。つまり、利用できる職種で、必要な医療的介入を職種間で柔軟に手分けするといった考え方に基づいて医科と歯科の連携の基に医療チームを編成し、地域・環境にあった体制を整えることが、摂食・嚥下障害への対応を現実的なものとする。

 

連絡先

HBS 口腔機能福祉学(口腔保健学科)(内線:5541)中野雅徳

または 口腔顎顔面補綴学 (内線:5267)市川哲雄

最終更新日:2009年2月23日