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学生と保護者代表と学長との懇談会の様子

平成20年11月11日(火)、工学部共通講義棟大会議室で「学生の保護者代表と学長との懇談会」を開催しました。この懇談会は今回で10回目となるもので、各学部生の保護者代表13名と青野学長、川上副学長、黒田副学長、五十嵐副学長及び各学部長等が出席しました。最初に青野学長から徳島大学の現状について、黒田副学長から地域連携について、伊藤就職支援室長から就職状況についての説明があり、引き続き、保護者代表から教育、進路・就職、施設・整備、地域貢献等について意見・質問が出され、徳島大学の教育・学生支援及び地域貢献への取り組みに対する関心の高さを再確認させられる懇談会となりました。


 

保護者代表からの主な意見等 対応
・総合科学部に来年度から博士課程を創設予定と聞きました。地域づくりをどうするか、地域の再生についてということですが、日本経済新聞社が全国の大学の地域貢献調査という調査しており、その中で徳島大学の地域貢献度が29位ということで新聞紙上に載っていたと思いますが、具体的に例えば地域づくりをどうするか、地域の再生についてどうするのか、おそらく工学部との兼ね合いもあると思いますが、例えば環境問題等の分野になるのか、それとも総合政策独自の博士課程を創設されるのか、今構想として持っておられるのを具体的にお伺いしたいと思います。 ・地域づくりといっても大変幅が広く、何を目指すのかということですが、まず総合科学部が大学院、人文・社会・自然という9ぐらいの学問体系の分野を抱えています。そういう体制は他学部にはないので、そこをどうやって総合をさせて、地域創生に向かっていくか、地域再生に向かっていくか、地域づくりに向かっていくかということです。具体的に何をするのかということですが、生産の問題がありますが、これも社会系も政策づくりには関係しますので、法律・経済が極めて重要になってくると思いますし、それから地域づくりで政策といいますと実は理系の分野も当然必要になってきます。特に環境問題のことになれば徳島県で言えば、水の問題、土壌の問題、空気の問題というのも切羽詰まった問題ですので、この理系の分野もそういう政策には絡んできます。そういう意味では政策といっても人の心の問題もありますので、いくら立派な政策を作っても住民が動かなければどうにもなりませんので、そういった教育も含めてどう考えるかということになります。まさにその人文・社会・自然を統合するような形で地域づくりの政策というのを行っていかなければ、一つの分野でそれは解決するってのは不可能な話です。そういう意味でドクターコースのところも福祉・健康とかの部分も実は入れておりますし、理系の生命や化学、そういう分野も実は入っていますし、文化的なこともドクターコースのところには入れております。そういうことで、博士後期課程は教員20名でスタートします。これは本当に地域づくりをどうするのかという話ですが、例えば端的に申し上げますと徳島県はこれは中山間地域を控えており、過疎の問題も大きな問題があります。上勝町などはそういう意味では先進的に地域づくりを行っていると思うのですが、実は総合科学部の教員が上勝町と一緒にタイアップして上勝の地域づくりに貢献をしている実績があります。学生もそういう現場に連れて行きながら、そういったことを推進したいと考えています。地域政策、地域計画、環境問題、福祉、健康、文化、そういうものをひっくるめて幅広くやりたいと考えております。そんな漠然としたことができるかというのですが、地域科学専攻というのを設置するのですが、地域科学専攻そのものがまさに総合科学になってるという状況がありますので、21世紀も入ってますので、そういったアプローチで町づくり、地域再生をやらなければいけない時代にきている、私どももそれを大学として先導する形で行きたいと考えており、簡単に言いますと地域圏モデルを発信したい。徳島は、限界集落という言い方は良くないと思いますが、限界集落がたくさんある中山間地域を抱えてますので、徳島大学と他大学との違いとして、地方圏モデルをどうやって発信するかということをやりたいと考えています。
・来年度から総合科学部が現在の2学科から3学科に改組されるということですが、現在の10コースはそのまま持ち上がりというか、残るのでしょうか。 ・新カリキュラムと旧カリキュラムは同時進行します。旧カリキュラムで入った学生は旧カリキュラムで卒業します。全員が卒業するまで廃止をいたしませんので旧カリキュラムは残ります。
・医学部医学科では、6年生になると7月まで病院実習、9月に卒業試験、その後国家試験に向けての対策と厳しい毎日の連続になると聞いている。国家試験の合格率は高いのだろうかとか国家試験と卒業試験の内容はよく似ているのだろうか、プレッシャーに潰れないかなど保護者として心配はつきません。是非、様々なことを乗り越えて医師になり羽ばたいて欲しいと願っています。 ・医師国家試験の合格率は、過去5年間の平均では新卒者93%、既卒者53%の合格率を維持しております。

卒業試験については、卒業試験の出題形式を医師国家試験に準じたものにすることが検討され、その結果、教務委員会から教授会議等において、出題形式を医師国家試験に準じた形式にするよう依頼しました。また、卒業試験問題及び正解を学生に公開することにより、医師国家試験の勉強に活用してもらっております。

学生へのフォローアップについては、教務委員会に国試対策部会を設けているほか、各講義室には出席システムを導入して学生の出席状況を確認し、欠席の多い学生には教務委員会委員が個々に面談を行い、相談・指導を行っております。また、4年次からは、学生個々に担当教員を配置し、定期に学生面談を行い早期の悩み等に対応するためのメンター制度を今年度から実施しております。

また、国家試験を控えた6年次学生の自習環境を整備し、現在ではチュートリアル室、ミーティングルーム及び学生控室等のいずれでも自習ができるようにしております。学生にとっても、マンション等で1人で勉強するのではなく、国家試験の過去問題を友達と検討・相談しながら勉強ができると好評を得ております。

・夏休み中に医学部の学生がオーストラリア等の研修に先生が引率していただいて行く機会があると聞きましたが、日程がすごく短いようなので、もう少し研修先の様子が実際に体験できるような研修を実施していただけたらと希望します。 ・医学部の中でもいろいろな学科において、いろいろな国際化プログラムで海外に打って出られるような教育を早くから行なう取り組みをやっており、栄養学科でも非常に積極的な教員が引率されてるということで組んでいます。しかし、どうしても教員の方も日程の調整等で期間が限られますので、年によって本当は行きたい学生さんが行けないということも起こるかと思います。それをどう解決するかというのは4年間の間に、どこでそういうチャンスがあるかということでやむを得なくもありますが、テキサス大学のサマープログラムに応募してもらうとか、逆に海外から教員を招聘して1週間ほど現場の教育に入ってもらうとか、そういう形でもいろいろな取り組みを増やしておりますので、いろいろな機会で触れていただけるようになればということで、日程が合わないのは申し訳なかった点もありますが、できるだけそういう機会を増やすように努力は今後もする予定です。
・10月1日付けの徳島新聞で「高齢社会を担う歯科医療人を育てる取り組み」が、文部科学省の2008年度「質の高い大学教育推進プログラム」に選定されたと知りましたが、具体的にはどのような取り組みでしょうか。 ・健康長寿社会を実現するためには、生活習慣病の克服が重要であり、咀嚼障害の予防・治療・維持及び口腔ケアに加えて、正しい食・咀嚼習慣の指導を担う歯科医療従事者の役割は非常に大きく、優れた人材の育成は喫緊の課題です。高齢社会に求められる歯科医療従事者像は、問題意識を持ち、どこでも(歯科診療所だけでなく在宅や福祉施設でも)、そして誰に対しても(コミュニケーションの難しい要介護高齢者を含めて)、その保健・医療・福祉を専門的立場から担える歯科衛生士及び歯科医師です。

上記の課題を解決するため、本取り組みでは入学早期からの学内授業における歯科医療系学生としての必要な気づきを、学外体験実習での地域高齢者との交流に繋げて、医療人としての自覚と人間力の向上を目指し、また、地域に根ざす口腔保健・高齢者福祉の重要性を体得することを目的とした地域育成型(地域を育て地域に育てられる)歯学教育を展開します。

・歯学部口腔保健学科新設の経緯と意図、また、期待する学生像を教えていただきたい。 ・歯科医療においては、「予防歯科、高度歯科医療の実践、介護・チーム医療への積極的関与」が社会から要請されており、口腔保健の理論と実践を科学的に探求する「口腔保健学」を確立するために歯学部口腔保健学科は、全国で5番目の4年制歯科衛生士養成機関として平成19年4月に設置されました。 その意図は、高齢社会を迎えた現在、「生涯にわたって口腔から栄養を摂取する」ことが疾病予防、健康維持に極めて重要であることが認知されるようになり、歯科衛生士の役割が従来にも増して重要になってきたからです。このような高齢社会の社会ニーズである健康長寿の推進に貢献でき、保健・医療・福祉を統合的に捉えることのできる歯科衛生士及び社会福祉士の育成を目指しています。

そこで、本学科の学生には、以下のような点を期待したいと思います。

(1)口腔保健・医療・福祉に高い目的意識を持つ
(2)科学的に物事を分析・処理する能力を持つ
(3)豊かな人間性と他人に対する思いやりを持つ
(4)コミュニケーション能力に加えて、広い視野からの判断力を持つ
(5)医療の高度先進化に対応するための生涯学習に積極的に取り組む

・歯学部口腔保健学科の第一期生ですが、4年後の大学院への進学、また、就職等についての情報を教えていただきたい。 ・口腔保健学科では、第一期生が卒業する平成23年4月に大学院修士課程(2年制)を開設できるように準備作業を進めています。その後の博士課程の設置等については現在のところ未定です。

就職については、卒業生がまだいないので不明な点がありますが、先行大学の就職実績を見ると、歯科衛生士としては、開業歯科医院や病院歯科、病院や社会福祉施設などでの口腔ケア担当者、歯科衛生士養成専門学校の教員、行政機関や歯科系企業などへの就職が考えられます。また、社会福祉士の資格を生かして社会福祉施設や大規模病院の相談員やメディカルソーシャルワーカー(MSW)への就職が考えられます。

学生講義室の掲示板に就職に関するポスターを張り出すなど、既に情報提供を行っていますが、今後とも学生の将来の希望を聞きながら、適切な時期に個々の学生の希望に沿った就職支援をしていきたいと思っています。

・歯学部口腔保健学科について、今後、毎年入学してくる学生に対して、歯学部棟での施設・整備で充分であるとお考えでしょうか。 ・現在、口腔保健学科の講義や実習は、時間割を工夫するなどして歯学部棟の施設・設備を歯学科と一部共用して行われています。このため、現状では必ずしも必要十分な環境が整っている訳ではありませんが、口腔保健学科専用の実習室等の整備も現在進行中です。

今後、蔵本キャンパスの整備計画に従って平成22年4月には歯学部棟5階に口腔保健学科専用の講義室、実験室、学生控室、教員研究室など必要な設備が整備される予定になっています。それまでの間は幾分かの不自由はあるかと思いますが、学生、教職員全員の創意工夫で乗り切っていきたいと考えています。

・薬学部では、3年次に6年制と4年制のコースに分かれますが、6年制を希望しながら4年制へ進んだ場合に国家試験受験資格も取得したいときは、どのような課程に進めばよいのでしょうか。また、その課程は徳島大学で履修することができるのでしょうか。具体的な回答をお願いします。 ・4年制学科卒業後に薬剤師国家試験の受験資格を取得するには、学部卒業後本学大学院博士前期課程に進学し、6年制学科卒業に必要な単位(医療薬学系科目など)を修得します。その後、更に大学院博士後期課程に進むか、又は科目等履修生として、2年間の実務実習等を修めた後、厚生労働大臣に申請を行い、6年制学科の卒業生と同等と認められた場合、薬剤師国家試験の受験資格得ることができます。大学入学から資格取得まで通算して8年程度かかる見込みです。

なお、資格取得のための必要な科目は本学で履修することができますが、実務実習での病院実習については徳島大学附属病院以外で実習を行うこともあります。

・薬学部の今4年生なんですが、1年のときから担任制ということで先生方と非常に親しく、また飲食も共にするというようなことで、大学である意味楽しく勉強しているように見受けられます。今は研究室に配属になっていますが、大学院生の方々等からご指導いただきながら本当に本人も生き生きといい経験を積ませていただいております。聞くところ、今度4年制と6年制ということで、研究室の配属等も同じように3年の後期から配属されているとは聞いていますが、今後とも、ある意味アットホームな環境というものをずっと続けていただけたらというのが保護者としてのお願いです。 ・薬学部の場合3年の後期から研究室に配属しており、そこには一番上はドクターの学生、その次にマスターがいて、4年生がいて3年生がいるという、徒弟制度とはいいませんが先輩が後輩の面倒をみるという、私たちとしましてもいい雰囲気になってると思います。ただこれから、今の4年生はいいのですが、少し問題点があります。4年制と6年制の学生が混在しますから、区別するわけでないのですが、勉強するコースが違いますから、そこのところをどうするかというのは一つの問題点と思います。ほとんどの研究室で雰囲気がいいですし、研究室にきていますから、1日2日休めば必ず誰かが電話をしますし、電話に出なければ必ず下宿へ押しかけていって、どうしているのかということになっていますから、3年以降に研究室へ配属すれば非常にいい雰囲気でやっております。これからも続けようと思っています。
・工学部に入学して進級するのが日本一難しいとか、噂によるとギネスに載っているとか、これは本当の話なのかと思うのですが。例えばやっと念願の徳島大学に合格して勉学に励んでる中で進級できなくて辞められる人も周りにいたりするので、卒業というか進級できなかった部分で人生で挫折をするような人が増えるのも趣旨からするとどういうものかと思います。 ・ギネスに載ってるというのは初めて聞きました。進級に関しましては、確かに厳格化しておりまして、以前よりは難しくなっております。10%程度の学生は進級でひっかかるということです。それで、2年目の1年生のときに頑張ってもらうと3年生に進級できるような形にしています。きちんと再チャレンジができますので、4年かけて卒業をしていくという学生さんは昼間ではだいたい90%ぐらい、夜間で80%台ですので全国的にみてもかなり、そういう面では高い確率で皆さん卒業されていると思いますので、ギネスに載っているというのはもうお忘れになっていただけたらと思います。
・大学によると、成績を保護者に送付してくださるところもありますが、徳島大学では、そのような予定はないのでしょうか。 ・本学では、総合科学部のみが保護者への成績通知を行っています。対象学生は、成績が芳しくない学生、進級要件・卒業要件に満たない学生に対して年1回(3月)実施しています。成績通知の内容は、入学時からの履修登録した全ての授業科目について記載しています。

 

医学部医学科及び栄養学科では、留年した場合に学生の保護者に対し、学生が留年した旨の通知文書を郵送しています。学生の保護者から、学業あるいは学生生活について相談があれば、個別に相談に乗ることは可能です。

 

医学部保健学科は、担当教員が、留年生へ個別に履修相談をしています。 今後、保護者への成績通知を行うか、教務委員会で検討していく予定です。

 

歯学部では、現在のところ保護者への成績通知を行う予定はありません。

 

薬学部では、現在のところ保護者への成績通知を行う予定はありません。以前行った学生へのアンケート調査において、同意が得られませんでした。

 

工学部では、留年生等への対応のため、留年生の保護者宛の留年通知及び学科により成績状況(単位取得数・不足単位数等)を通知して対応しており、現在のところ保護者への成績通知を行う予定はありません。

平成19年度

最終更新日:2011年4月25日

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